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《「みんな!」》
マンダレイのテレパスにより、脳内に彼女の声が響き渡る。
《「敵二名襲来!他にも複数居る可能性あり!動ける者は直ちに施設へ!会敵しても決して交戦せず撤退を!」》
「ご機嫌よろしゅう雄英高校!我等敵連合 開闢行動隊!」
『敵連合…!!』
「敵連合!?何でここに…!」
脳裏に一瞬、死柄木弔が思い浮かぶが私は頭を横に振って無理矢理掻き消した。
そんな中、オカマ敵がピクシーボブを見下ろしながら口を開く。
「この子の頭…潰しちゃおうかしら、どうかしら?ねぇ…どう思う?」
「させぬわこのっ…!」
「待て待て早まるなマグネ!虎もだ、落ち着け!」
カメレオン敵は、マグネと呼ばれたオカマ敵と虎さんを交互に見遣る。
『(このカメレオン敵、虎さんを知ってるの…?て言うか"落ち着け"って、敵も味方も宥めるなんて余裕なんだな…)』
「生殺与奪は全てステインの仰る主張に沿うか否か!」
「ステイン…!」
「ヤツの思想に当てられた連中か…!」
緑谷くんと飯田くんがカメレオン敵に対して歯を食いしばる。
『(そうか、確か二人とも職場体験中にステインに襲われたんだよね…そのステインの思想を受け継いだからこそ、ある意味真っ直ぐな所があるんだな、このカメレオン敵…)』
「そして、あぁそう!俺は…そう、お前!君だよ眼鏡くん!保須市にてステインの終焉を招いた人物…申し遅れた、俺はスピナー!彼の夢を紡ぐ者だ!」
『(うぅわ!何あの武器、ちょっと危険過ぎ…!)』
カメレオン敵、もといスピナーが自己紹介しながら構えたのは無数の刃物だった。
《「洸汰…洸汰!!私のテレパス聞いてた!?早く施設に戻って!私ごめんね、知らないの!貴方がいつもどこへ行ってるか…ごめん洸汰、救けにいけない!すぐ戻って!」》
確かに合宿中に何度も洸汰くんは私達の前からフラッと居なくなっていた。
今も一人だったとしたら、洸汰くんが危ない…!
「何でも良いがなぁ貴様等…!その倒れてる女ピクシーボブは、最近婚期を気にし始めててなぁ…女の幸せ掴もうって、良い年して頑張ってたんだよ…!そんな女の顔傷物にして、男がヘラヘラ語ってんじゃあないよ!!」
「ヒーローが人並みの幸せを夢見るか!」
「虎!"指示"は出した!他の生徒の安否はラグドールに任せよう!」
マンダレイと虎さんが短くやり取りしているのが聞こえる。
「私等は二人でここを抑える!みんな行って!良い?決して戦闘はしないこと!委員長、引率!」
「承知致しました!行こう!」
マンダレイの声に、飯田くんが勢い良く返事をする。
が…。
「『緑谷くん!?』」
緑谷くんは施設とは逆の方向…
森の奥の方へと走り出した。
「先に行ってて!マンダレイ!僕、知ってます!」
"知っている"というのはたぶん、洸汰くんの居場所のことだろう。
緑谷くんは、飯田くんのストップも聞かずに走り出した。
そして…
『ちょっと緑谷く…っもう…!』
私は少し遅れて緑谷くんを追った。
「カフェくんまで!?くっ…待ちたまえ!!」
『ごめん飯田くん、すぐ戻る!』
緑谷くんはあまり冷静になれていないと思う。
そんな状況で一人森の中に飛び込ぶこと自体が危険だし、もし敵に襲われたら…。
『(入学して最初の頃リカバリーガールに言われた通りだ、緑谷くんは自ら怪我に突っ込んで行く…誰か、ストッパーが居なきゃ…!)』
森の中にはうっすらと霧のようなものが出てきていた。