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「…さて!腹も膨れた、皿も洗った!お次は…」
「「肝を試す時間だー!」」
待ちに待った肝試しの時間だ。
この肝試しで何としてでも響香ちゃんとペアを組んで、私が彼女を守って差し上げるのだ。
「その前に!大変心苦しいが、補習連中は…これから俺と補習授業だ」
相澤先生の言葉に、補習組のみんなはその場で固まる。
「ウソだろぉおお!!?」
「すまんな、日中の訓練が思ったより疎かになってたのでこっちを削る」
補習組のみんなはパシッと相澤先生の捕縛武器で一瞬の内に捕らわれてしまった。
「うわぁあ堪忍してくれー!」
「試させてくれー!」
どう足掻こうとも捕縛をやめない相澤先生。
「(モカ…!)」
『(切島くん…!)』
ぱちりと切島くんと目が合う。
「(モカにカッコイイとこ見せたかった…!)」
『(切島くん…いってらっしゃい…!)』
私は補習組が引き摺られていくのを、切ない気持ちで眺めていた。
***
「はい!と言う訳で、脅かす側先攻はB組!A組は二人一組で3分置きに出発。ルートの真ん中に名前を書いたお札があるから、それを持って帰ること!」
ルールを説明してくれるピクシーボブがみんなの前に立っている。
「闇の狂宴…」
『何それカッコイイ』
ぽつりと呟く常闇くんの言葉に、私は思わずニヤニヤと頬を緩めた。
「脅かす側は直接接触禁止で、"個性"を使った脅かしネタを披露してくるよ!」
「創意工夫で、より多くの人数を失禁させたクラスが勝者だ!」
「やめてください、汚い」
「なるほど!競争させることでアイデアを推考させ、その結果"個性"にさらなる幅が生まれるという訳か!流石雄英!」
段々と上がるみんなのテンションに釣られ、私もなんだかワクワクしてきた。
「さぁ!くじ引きでパートナーを決めるよっ!」
「…」
ピクシーボブの言葉に、今朝"怖いのはやだ"と半泣きになっていた響香ちゃんは不安そうな表情を浮かべている。
『大丈夫だよ響香ちゃん、私が守るから』
「無駄にカッコイイな」
「はい、引いて引いて!」
ピクシーボブがくじを持ってやって来た。
『さっ…来ぉぉぉいッ!!』
私は掛け声と共に全力でくじを引いた。
手元のくじには"8"という数字。
『響香ちゃん!何番!?』
「ウチ3番。外れたね~…」
『ガーン!』
嘘だろ…今宵は響香ちゃんを守る騎士になるはずだった…のに…!
『くっ…!』
私は地面に片膝をついた。
「おい尻尾…代われ…!」
「青山ぁ…オイラと代わってくれよぉお…!」
「俺は何なの…」
私と同じく、みんなもくじ引きの結果を見て一喜一憂しているようだ。
「あの…カフェさん」
後ろから声が掛かり、振り返ると緑谷くんが苦笑してこちらを見ていた。
『緑谷くん…もしかして…?』
「うん、僕も8番…なんだけど…」
そう言いながら、控えめにくじを見せてくれる緑谷くん。
「僕がペアじゃ不安かもしんないけど…いざとなったら僕が囮になるから、その間にカフェさんは逃げて!」
グッと拳を握ってそう言う緑谷くんに、私は一瞬固まった後、声を上げて笑った。
『あはは!そこ、"守ってくれる"んじゃないんだ?』
「だ、だってB組のみんなの"個性"まだちゃんと分かんないし、変に期待はさせられないって言うか…!」
わたわたと慌て始める緑谷くんを見て、今度は小さく笑う。
『よし、じゃあいざって時は任せたよ!緑谷くん!』
「うんっ!」
「(この光景、切島が見たら悶絶するんだろーな…)」
「(切島、ある意味ここに居なくて良かったな…)」
響香ちゃんと尾白くんが遠い目をしてこちらを見ていた。