14
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あれから時間は過ぎ、もう既に日は傾いている。
「さ、昨日言ったね?世話焼くのは今日だけって!」
「己で食う飯くらい己で作れ!カレー!!」
「「『イェッサ…』」」
私達の目の前には大量の食材とレトルトカレーが置いてある。
この激しい訓練の後に自分達でカレーを作らなきゃならないなんて…
流石雄英、徹底的に追い込んでくるなぁ。
「アハハハハ!全員全身ブッチブチ!だからって雑な猫飯は作っちゃダメね!」
「ハッ!確かに災害時等、避難先で消耗した人々の腹と心を満たすのも救助の一貫!流石雄英、無駄が無い!世界一美味いカレーを作ろう、みんな!」
「「『おー…』」」
私達は力の抜けた返事をした。
そして、全員で夕食作りの作業に取り掛かる。
『(とりあえず薪を持って来よう)』
みんなの動きを見て、誰も手を付けていなさそうな薪運びをしようと、私はみんなの輪から少し離れる。
『よいしょ、っと…』
「お、モカだ!」
薪を拾い上げた所で、隣から声が掛かった。
顔を上げるとそこには、B組の一佳ちゃんと鉄哲くんが立っていた。
『一佳ちゃん!…と、鉄哲くんだよね?』
「おう!ちゃんと話したことなかったよな、ヨロシク!!」
『私はカフェモカ。よろしくね!』
ご丁寧にこちらに手を差し出してくれる鉄哲くんの手を握り返す。
『体育祭お疲れ様!アツくて男らしくて、良かったよ~!』
「おぉ、マジか!?サンキューな!」
鉄哲くんはどこか切島くんに似ている雰囲気があり、勝手ながら話しやすいなぁなんて思う。
「お前こそ競争中にも関わらず、ウチの庄田救けてくれたんだってな!やるじゃねーか、なかなか出来ねェよ、ンなこと!」
『そ、そうかな~…?』
「それに騎馬戦棄権する時のも、敵ながら感動したぜ!!」
ガシッと手を握られ、ブンブンと上下に振られる。
鉄哲くんは一つ一つの動きがコミカルだ。
「切島とも仲良いみてーだし、お前アツいわ!」
「あれ、そーいや切島は?」
鉄哲くんの言葉に反応した一佳ちゃんが、キョロキョロと辺りを見回す。
「いつも一緒に居んじゃん?今日は別行動なの?」
『流石にそんな、ずっとべったりではないって』
苦笑して見せると、何やら二人は顔を見合わせていた。
「「いや、べったりだろ」」
揃って真顔でそう言われ、私は少し動揺した。
『え…えっと、私これ運ばなきゃだから!』
「あ、オイカフェ!」
後ろから声が掛かるが、私は逃げるようにその場を後にした。