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『切島くん!』
ガコンと音がして、出て来た飲み物を取ろうと自販機の前に屈むと、後ろから声を掛けられる。
飲み物を手に取り、ゆっくりと振り返るとそこにはモカが一人で立っていた。
「ん…何だよ」
『何だよって…切島くんが部屋出て行くの見えたから…』
こんな無愛想な俺を追って来てくれたのかと思うと、自分の頬が少し緩むのが分かる。
あー、単純だな俺。
『えっと…どうしたの?なんか怒ってる?』
「怒ってねーよ」
俺は手元の缶ジュースを開け、一気に喉に流し込む。
『今からみんなでUN○やるみたいなんだけど、切島くんも一緒に…』
「んー、俺はいいや!」
一気飲みしたジュースの缶をゴミ箱に投げ入れようとしたが上手く入らず、俺は缶を拾ってゴミ箱に押し込んだ。
あーあ、調子悪ィな。
『じゃあ私もここに居ようかなぁ』
そう言いながらモカは壁に凭れる。
『今日も大変だったね…あ、今朝ピクシーボブの土流で飛ばされた時、庇ってくれてありがとうね!おかげで怪我なかったよ』
そう言いながら屈託無く笑うモカを見て、俺は小さく溜め息をついた。
男のくせに、うじうじと悩む自分の余裕の無さに呆れたからだ。
せっかくこうやってモカが俺のために来てくれたってのに。
「なぁ」
壁に凭れるモカの正面に俺は立ち、モカの顔の隣に片手を付いた。
所謂壁ドン状態だ。
驚いた様子のモカと目が合った。
『な…なに、どうしたの?なんか切島くん、さっきから変だよ』
身長差により、モカは下から不安そうに俺を見上げてくる。
「変にしたのは、お前だよ」
『え…』
俺だけ見てて欲しい、他のヤツに風呂場でのあんな声聞かせんな、欲情させんな。
色んな想いが溢れて来て、俺は勢いに乗って我儘をぶつけてしまいそうになる。
だが俺は何とかそれを飲み込み、代わりに別の言葉を口にした。
「…前も言ったけど」
『え?』
「俺の隣はこれまでもこれからも、お前だけだ」
そう言いながら、俺はモカの身体を腕の中に閉じ込めた。