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***切島視点
せっかくの林間合宿、なんかモヤモヤして落ち着かねェ。
…風呂ン時まではいつも通りだった。
"気持ち良いね~!"
"温泉あるなんて最高だわ!"
"ふあ~…あったまるぅ"
温泉に浸かっていると、隣の女湯から女子達の話し声が聞こえてきて、以前俺ん家でモカと裸で対面した時のことを思い出していた。
モカの身体、綺麗だったな。
思い返すと顔に熱が集まる。
"その身体触らせろー!"
"いっつもモカちゃんばっかりずるいー!"
"いやぁぁあああっ!?"
ぼーっとしていると、芦戸や葉隠に捕まるモカの声が聞こえてくる。
俺の隣では瀬呂が"アイツ等元気だな~"なんて笑っていた。
が、しばらくすると瀬呂の笑顔が凍り付く。
理由は…
"ひぁっ…!た、助けてぇ…響香ちゃん…!"
なんかエロい声がしたからだ。
しかもモカの声だ…
峰田はなんだか嬉しそうに股間を押さえている…
その顔ヤメロ。
そんでお前もやめろモカ、そんな声コイツ等に聞かせんな…
俺も初めて聞いたけど中々にヤベェよ。
"今日日男女の入浴時間をずらさないなんて、これはそう…事故。事故なんスよ…"
"峰田くん、やめたまえ!!君のしようとしていることは、己も女性陣も貶める恥ずべき行為だ!"
"やかましいんスよ"
止めに入る飯田の声も聞かず、峰田は"個性"を使って壁をよじ登る。
こんなヤツにモカの裸を見せるなんて冗談じゃねェ!と思い、峰田を止めに俺が立ち上がるも、峰田はそれはもう凄い勢いで壁をよじ登って行った。
"壁とは…越えるためにある!プルスウルトラー!!"
"ヒーロー以前に、人のあれこれから学び直せ"
壁の頂には監視役のガキが居たようで、覗きを阻止された峰田のケツを飯田が顔面キャッチする。
それに続いて監視役のガキもこっちに落ちて来た。
俺が動く前に、緑谷がそのガキを抱き止め、意識を失ったらしいそのガキをマンダレイの所へ連れて行くと言う。
だから緑谷に任せることにした、のに。
"(緑谷帰って来ねェな…)"
ガキをマンダレイの所へ連れて行ったらすぐに帰って来るのかと思っていたが、緑谷は帰って来なかった。
時間も時間なので俺等が風呂から上がり、部屋へと向かおうとした時、廊下からモカの声がした。
風呂上がりのモカの姿を想像しながら俺は声を上げる。
"モカ、もう風呂上がってたん…"
"凄いね、だからそんなに良い身体付きしてるんだ!"
"っ…"
少し離れた所には、黙り込んで顔を赤くする緑谷と、同じく顔を赤らめるモカが居た。
「(…なに、顔赤くしてんだよ…)」
俺じゃなく緑谷を見て、顔を赤くして、照れたような表情をしていて。
そんなモカを見たくなくて。
「(やめろよ…緑谷に、他のヤツにそんな顔見せんなよ…なぁモカ…!)」
沸々とドス黒い感情が胸中を渦巻いていく。
ちょうどそのタイミングでモカと目が合った。
俺が言葉を発する前に、俺の隣に居た上鳴が緑谷とモカに話し掛ける。
話によるとあのガキは無事らしい…
モカはあのガキが心配で、緑谷に着いて行ったそうだ。
"(それは分かる…けど)"
モヤモヤしていると爆豪が何も言わずに歩き始めたため、俺はそれを追った。
モカは俺を見ていたが、今の俺は情けねェ顔してるだろうから正直見られたくねェ。
俺は何も言わずにモカの隣を通り過ぎた。
俺の後ろでは瀬呂とモカがやり取りをしているのが聞こえた。
この後、女子が男子部屋に来るんだとよ。
「(あぁ~、思い出したらなんか余計にモヤモヤして来た…)」
みんな揃ってワイワイ騒いでいるのを背に、俺はカバンを漁り財布を手に取る。
「(確か自販機あったよな。飲み物でも買いに行くか…)」
俺は一人、静かに部屋を出た。