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「あ…れ?どっちから来たっけ…?」
『あはは、こっちだよ』
ここに来る時は余程慌てていたようで、緑谷くんは来た道を覚えていなかったらしい。
緑谷くんと私は並んで歩き出した。
『着替えとかはお風呂場に置いて来ちゃったから、とりあえずお風呂場に戻ろっか?』
「うん…っくし!」
緑谷くんはくしゃみをし、ブルッと身体を震わせた。
よくよく考えれば緑谷くんはほぼ全裸である。
『あ、良かったらこれ使って!全然寒さ凌げないと思うけど、ないよりはマシだと思う…!』
私は首に掛けていた大判のタオルを、緑谷くんにほぼ強制的に羽織らせた。
『(最近色んな人の裸ばっか見てる気がするなぁ…!)』
「へっ?い、良いのカフェさん…!?」
『緑谷くんが風邪引くより全然良いよ!』
そう言いながら私は緑谷くんから目を逸らした。
タオルを羽織らせる時に至近距離で見えた彼の身体は思ったよりも筋肉が付いていて。
男の子なんだなぁなんて思った。
『緑谷くんってさ、身体鍛えてるの?』
「うん、一応…!家でもテレビ見ながらとか移動中とか…結構、隙間時間に鍛えてるかも」
『凄いね、だからそんなに良い身体付きしてるんだ!』
「っ…」
黙り込んで顔を赤くする緑谷くんに釣られて、私もなんだか恥ずかしくなり赤面する。
掛ける言葉を間違えてしまっただろうか。
「『…』」
ちょうどそのタイミングでお風呂場に到着し、男湯からは切島くんと爆豪くん、上鳴くんに瀬呂くんが出て来た。
「『!』」
ぱちっと切島くんと目が合ったが、切島くんを押し退けて上鳴くんが声を上げた。
「おぉ、緑谷!あのガキ大丈夫だったのか?」
「あ、うん!大丈夫だよ。今はマンダレイの所で休んでる」
「カフェも一緒だったんだな~」
『洸汰くんが心配でね~…』
瀬呂くんの言葉に苦笑して見せる。
その隣で爆豪くんは、こちらに目もくれずに部屋へと足を進めていた。
切島くんはそれを追っている。
『(あれ?爆豪くんはともかく、切島くんが何も話し掛けてこないの珍しいな…)』
「ま、今から女子が男部屋に来っからカフェも来いよ!」
『あ、行く行く!』
「俺等、先戻ってるわ~!」
ひらひらと手を振る上鳴くんと瀬呂くんに、私は手を振り返した。
***
「モカ来たぁ!」
髪だけ乾かして女子部屋へ戻ると、三奈ちゃんに手首を掴まれた。
『へ?』
「今から男子部屋見に行くの!さ、行こー!」
『え、ちょっと…!?』
「楽しみ楽しみ~♪」
私の背後からは透ちゃんの声も聞こえる。
緑谷くんと別れてからお風呂場では本当に髪を乾かしただけなので、寝間着に着替えてないし荷物も整理できていない、のに…
「男子部屋へ!いざ行かんっ!」
止まることを知らない三奈ちゃんと透ちゃん。
私はお風呂上がりの荷物を適当にその場に投げ置き、二人に連れられて男子部屋へと足を向けたのだった。
しばらくして、私達は男子部屋に辿り着く。
「お、来たか!」
男子部屋の入り口の所には瀬呂くんが居て、部屋の中へと連れて行ってくれた。
「わー!ひっろいね~、流石大部屋!」
「おーっす、来たか!」
三奈ちゃんや透ちゃんの誘いによって、結局ガールズ全員で来てしまったのだが。
「UN○やろーぜ!」
「いやいや腕相撲だろ!」
「やるやるぅー!」
盛り上がるみんなを見ていると、私もなんだか楽しくなってくる。
ふとみんなの輪から少し離れた所で荷物を整理している切島くんの後ろ姿が目に入った。
『(あれ、切島くんなんだか大人しいな…珍しい)』
切島くんはそのまま一人で部屋を出て行ったので、私は少し遅れて彼を追い掛けた。