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あの後、緑谷くんが"洸汰くんをマンダレイの所へ連れて行く!"と言うのが聞こえて、私は洸汰くんが心配だったためみんなより先にお風呂を上がり、彼に着いて来たのだ。
急ぎ過ぎて髪は乾かしてないしシャツの下はノーブラだけれど、首から大判のタオルを掛けているため透け乳は回避出来ている。
緑谷くんなんて急ぎ過ぎた結果、タオルを腰に巻いただけの姿で私の隣に立っている状態だ。
「落下の恐怖で失神しちゃっただけだね、ありがとう」
眠る洸汰くんをマンダレイは一撫した。
「イレイザーに、"一人性欲の権化が居る"って聞いてたから見張ってもらってたんだけど…最近の女の子って発育良いからねぇ」
私を見るマンダレイに釣られてこちらを見た緑谷くんは顔を赤くしていた。
『(今赤面する必要あった?)』
私は"まぁ確かに"と呟きながら、脳内に先程の美少女達を思い浮かべる。
「とにかく…何ともなくてよかった」
『あの高さから落ちるのを見た時は焦りました…』
「よっぽど慌ててくれたんだね」
今度はマンダレイが緑谷くんを見遣る。
たぶんタオル一枚で洸汰くんをここまで運んで来てくれたことから、慌てた様子を感じ取ったのだろう。
「洸汰くんは…ヒーローに否定的なんですね。僕の周りは昔からヒーローになりたいって人ばかりで…あ、僕も。で、この年の子がそんな風なの珍しいなって思って」
眠る洸汰くんを見る緑谷くんはなんだか寂しそうな顔をしていた。
「そうだね…当然世間じゃヒーローを良く思わない人もたくさん居るけど…普通に育っていれば、この子もヒーローに憧れてたんじゃないかな」
「『普通に…?』」
含みのある言い方をするマンダレイに、緑谷くんと私は彼女の言葉を繰り返す。
そのタイミングでガチャリと扉が開き、ピクシーボブが部屋に入って来た。
「洸汰はね…」
それからピクシーボブは洸汰くんのことを軽く教えてくれた。
洸汰くんの両親が二年前、敵から市民を守って殉職してしまったこと。
洸汰くんからすれば親を失うということなのに、世間は良いこと、素晴らしいことだと褒め称えたこと。
プッシーキャッツのこともヒーローとしてよく思っていないけれど、他に身寄りがないから従っているらしいこと。
「洸汰にとってヒーローは…理解出来ない、気持ち悪い人種なんだよ」
「『…』」
悲しそうな目で洸汰くんを見るマンダレイに、緑谷くんと私は何も言えなかった。
「ここまで運んで来てくれてありがとう。今日は疲れたでしょ、もう寝な?」
「は、はい…失礼します…」
マンダレイに優しい眼差しを向けられ、私と緑谷くんはそれに従うことにした。