13
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
日焼けをしたくない私は身体に大判のタオルを巻き、プールサイドにみんなと並んで立っている。
男性陣の競争を応援するためだ。
プールサイド側から上鳴くん、爆豪くん、口田くん、常闇くん、峰田くんと並んでいるのが分かる。
ヤオモモが審判役をやってくれるようだ。
「それでは位置について!用意!」
ピッという笛の音と共に駆け上がったのは爆豪くんだ。
「爆速ターボォ!!」
"個性"を使って水には一切浸からず、あっという間に向こう岸に着いた爆豪くん。
「どーだ、このモブ共ォ!!」
得意気に笑う爆豪くんに、瀬呂くんや切島くんがブーイングを飛ばす。
「どーだじゃねぇ!」
「泳いでねぇじゃねーか!」
「自由形っつっただろーが!!」
『あっははは!あー、おもしろ!』
ブーイングする切島くんと瀬呂くんに、怒鳴り返しながらド正論をかます爆豪くんに笑いが止まらない。
飯田くんは確かに自由形だと言っていた。
次は轟くん、青山くん、瀬呂くん、切島くん、砂藤くんの番だ。
「位置について、用意!ピィッ」
開始と同時に瀬呂くんが宙に飛び出したかと思えば、"個性"を使っていた青山くんが瀬呂くんを巻き込んでコースアウトとなる。
そんな彼等の横を、轟くんが氷に乗って駆け抜けた。
「…」
「「だから泳げって!」」
『ブフッ!』
クールに着地を決める轟くんに、これまた私は笑った。
「クッソー!アイツ等~!」
ブツブツ言いながら私の隣へとやってくる切島くんに、お疲れ様と声を掛ける。
『切島くん髪崩れてるよ~?』
「ま、しゃーねぇ!」
目に掛かっている前髪を指で除けてやれば、彼はサンキュ!と笑った。
「「「(コイツ等マジで付き合ってないのか…?)」」」
怪訝そうな目でクラスメイトの視線を浴びていたとは知らずに。
さて、次は障子くん、尾白くん、緑谷くん、飯田くんの番だ。
「位置について、用意!ピーッ」
今度は開始と同時にみんな水中へと飛び込む。
このメンバーはちゃんと泳いでる、かと思えば…
「飯田もかよ!?」
飯田くんは飛び込んでおらず、レシプロエンジンを使ってバランスを取りながら一気に水上を駆け抜けていた。
その隣では緑谷くんが"個性"を発動し、飯田くんに負けじとスピードを上げている。
「「うぉおおおおっ!!」」
そして先にゴールに辿り着いたのは緑谷くんだった。
「すげえ!」
「やるなぁ緑谷!」
「飯田も惜しい!」
『さっきの飯田くん、思い出すだけで面白い!あははは!』
今日は笑ってしかいないが、とても幸せなことだ。
そして今度は優勝者を決めるらしい。
「各予選の勝者、爆豪くん、轟くん、緑谷くんの三人で優勝者を決める。それで良いか?」
「うん!」
「あぁ」
飯田くんの言葉に緑谷くんと轟くんは頷くが、爆豪くんはまた挑発をしているようだ。
「おい半分野郎!体育祭ん時みてェに手加減すんじゃねーぞ…本気で来やがれ!!」
「分かった」
「お前もだ!このクソデク!」
「わ、分かったよ、かっちゃん!」
この勝負どうなるのだろう。
正直、全く勝敗が読めなくてワクワクする。
「それでは50メートル自由形の決勝を始める!」
『みんなぁ!頑張って~!』
「いったれ爆豪ーっ!」
「相手殺すなよー!」
「轟も負けんなー!」
「デクくん頑張れー!」
「みなさんファイトー!」
各々が声援を送る中、三人は構えの体勢を取る。
「位置について!」
「(一気に駆け抜ける…!)」
「(滑り抜く…!)」
「(全力で泳ぎ切る!)」
ピーッと開始の笛が鳴った。
と同時に三人はザブン!と音を立てて水中に飛び込む。
いや、飛び込んだというか…落ちたと言った方が正しいだろう。
「うぉっなんだ!?」
「"個性"が消えた!?」
瀬呂くんの声に振り返る。
するとプールの入り口の所に立っていたのは…
『相澤先生!』
「17時。プールの使用時間はたった今終わった。早く家に帰れ」
容赦無くそう言う相澤先生に、みんなは必死に縋った。
「そんな、先生…!」
「せっかく良いとこなのに!」
「…何か言ったか?」
「「『何でもありません!』」」
目を光らせた相澤先生に、こちらから何を言えるはずもなかった。