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日付けは変わり、演習試験の翌日。
「みんな…合宿の土産話っひぐ…楽しみに…うぅ、してるっ…がら!」
三奈ちゃん、上鳴くん、砂藤くん、そして切島くんは朝から沈んだ表情を見せていた。
三奈ちゃんに至っては泣きじゃくっており、私は彼女を抱き締める。
『泣かないで三奈ちゃん、涙なんか似合わないよ…』
「無駄にイケメンだな」
「ま、まだ分かんないよ!どんでん返しがあるかもしれないよ…!」
そんなみんなの様子を見て緑谷くんはフォローを入れていた。
怪我もほぼ治ったようだ、流石リカバリーガールの力…凄いな。
「緑谷、それ口にしたら無くなるパターンだ…」
「試験で赤点取ったら合宿に行けず補習地獄!そして俺達は実技クリアならず!これでまだ分からんのなら貴様等の偏差値は猿以下だ!」
上鳴くんは何やら絶叫しながら緑谷くんに目潰しを食らわす。
緑谷くん、完全なとばっちりだ。
今度は緑谷くんが絶叫している。
「落ち着け、長ェ!分かんねーのは俺もさ!峰田のおかげでクリアしたけど寝てただけだ!とにかく採点基準が明かされていない以上は…」
「同情するならなんかもう色々くれぇええ!!」
瀬呂くんの宥める声も聞こえていないようで、上鳴くんは大声を上げている。
そのタイミングでガラッと教室の扉が開いて相澤先生が入って来た。
「予玲が鳴ったら席に着け!」
先程まで騒がしかったのがまるで嘘のように、シーンと静まり返る教室内。
教室内が静まったのを確認して、相澤先生は口を開いた。
「おはよう。今回の期末テストだが残念ながら赤点が出た。従って…」
誰かがごくりと唾を飲む音が聞こえた。
「林間合宿は全員行きます!」
「「「どんでん返しだぁああ!!」」」
赤点組…と言えば聞こえは悪いが、そのみんなは喜びの声を上げた。
「行っていいんスか俺等!?」
「ホントに!?」
涙を浮かべる三奈ちゃんに相澤先生は頷いた。
「あぁ。筆記の方はゼロ。実技で切島、上鳴、芦戸、砂藤、あと瀬呂が赤点だ」
「確かにクリアしたら合格とは言ってなかったもんな…」
「今回の試験…我々敵側は生徒に勝ち筋を残しつつ、どう課題と向き合うかを見た。でなければ課題云々の前に詰む奴ばかりだったろうからな」
「本気で叩き潰すと仰っていたのは…」
「追い込むためさ。そもそも林間合宿は強化合宿だ。赤点取った奴こそ、ここで力付けてもらわんとならん、合理的虚偽ってやつさ」
「「『ゴーリテキキョギィイー!!』」」
今度はみんなで口を揃えて驚きの声を上げる。
「またしてもやられた…!流石雄英だ…!しかし二度も虚偽を重ねられると、信頼に揺らぎが生じられるかと…!」
「わぁ、水差す飯田くん」
挙手しながら言う飯田くんをお茶子ちゃんはうららかな表情で眺めている。
「確かにな、省みるよ。だが全てが嘘って訳じゃない…赤点は赤点だ。お前等には別途に補修時間を設けてる。ぶっちゃけ学校に残っての補修よりキツいからな」
相澤先生の言葉に、赤点組のみんなは息を呑んでいいた。
「じゃあ合宿のしおりを配るから後ろに回してけ」
良かった、これでみんな一緒に林間合宿行けるんだ。