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よろよろと次の種目へ向かおうとする緑谷くんを私は呼び止める。
『緑谷くん…!』
「へ?は…はいっ!?」
少し上擦った声の緑谷くんに、少し指を見せてもらう。
『指見せて?』
「ゆゆゆ、指…?」
『こんなに腫れ上がって…大丈夫なはずないよ…』
「え…えーっと…」
緑谷くんを困らせてしまっているようなので、簡単に終わらせることにしよう。
そう言えば自己紹介をしていなかったことを思い出す。
『カフェモカです。これは私の"個性"!』
言いながら"個性"を発動する。
すると、私が手を翳した部位に光のようなものが集まった。
「…」
『…』
光のようなものが緑谷くんの指を包む。
『………よーし』
少し時間をおいて"個性"を解除した。
心なしか緑谷くんの強張っていた表情が和らいだ気がする。
「カフェさん、ありがとう…!凄いや、なんだか痛みが取れた感じだよ…!」
ぱぁあっと顔を輝かせた緑谷くんは、小さな子供みたいだった。
ちゃんと回復させてあげられなくて申し訳無いな…。
『んーん、なんせ私もほとんど体力残ってないから、今は痛み止めくらいにしかならないけど…何もしないよりは良いかなって!ごめんね勝手に。残りの種目も頑張ろうね!』
「う、うん!頑張ろう!」
軽く言葉を交わし、私達は次のコーナーへと向かった。
***
その後、個性把握テストの全種目が終了。
「んじゃ、パパッと結果発表」
相澤先生は、単純に全ての種目の合計を反映したモニターを見せてくれると言う。
『(除籍は嫌だ~…!お願いしますっ…!)』
願いを込めて、ギュッと目を瞑ると…
「ちなみに除籍はウソな」
「「『…!?』」」
「君等の最大限を引き出す合理的虚偽」
相澤先生はそう言ってハッと笑った。
が、そんな先生とは逆に、私達クラスメイトは…
「「『はああああああ!!?』」」
私含め、一部のメンバーは声を上げて驚いた。
「あんなのウソに決まってるじゃない…ちょっと考えれば分かりますわ…」
「「『気付かなかった…!』」」
相澤先生のウソに気付いていたメンバーも居たのか…す、凄いなぁ…。
「ちょっとヒヤッとしたなー」
「俺はいつでも受けて立つぜ!」
『私まだ心臓バクバク言ってるんだけど…!』
「…」
気が抜けて賑やかな雰囲気の中、爆豪くんだけがバツの悪そうな顔をしていた。
「そゆこと。これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類があるから、戻ったら目ぇ通しとけ」
「はあ~…」
大きなため息をつく緑谷くん。
「緑谷、婆さんのとこ行って治してもらえ。明日からもっと過酷な試験の目白押しだ」
あ、緑谷くん、リカバリーガールに看てもらえるんだ。
『(…なら、安心だ)』
なんか一気に疲れと眠気がやって来た。
早く着替えて教室に戻って少し仮眠を取ろう。