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「…カフェ?」
「カフェさん…!?」
試験を終え、負傷した轟くんとヤオモモがやって来た。
私がリカバリーガールと共にここにいたことに、二人は驚いているようだった。
『二人ともお疲れ様!今回は私が看せてもらいまぁす』
「え、えぇ…それは結構ですが…」
試験はどうしたのか、と聞きたいのだろう。
ヤオモモはちらりとリカバリーガールと私の方を伺い見る。
「試験は済んだのか?」
流石轟くん、ド直球だな。
『あはは…なんかね、みんなを回復させるのが今回の私の試験みたい』
私は苦笑しながら轟くんに答えた。
『隣でリカバリーガールが見ててくれるから安心してね、しっかり回復させるから!』
私の言葉にヤオモモはコクコクと頷いてくれる。
この二人は思ったより負傷していないようだ。
傷も浅くて掠り傷程度だし、そもそも傷の数が少ない。
相澤先生相手に…凄いな、この二人。
『じゃあヤオモモからで。看せてもらっていいかな?』
「えぇ、よろしくお願い致します」
『…』
ヤオモモの手を取り、患部をじっと見つめる。
「…」
うぅ、リカバリーガールに見られてる…
ちょっと緊張するなぁ。
『(大丈夫…いつも通りに。落ち着いて…!)』
私は患部に手を翳し、"個性"を発動した。
すると元々擦り傷のあった箇所が、ゆっくりと塞がっていく。
「まぁ…!もう傷口が見えなくなりましたわ!カフェさん、ありがとうございます…!」
感動しているヤオモモが可愛くて抱き締めたいのは山々なのだけれど…
今は試験中なのでグッと堪えておいた。
『よっし!次、轟くん看るね』
「あぁ、頼む」
轟くんもヤオモモと同じく、ほとんど負傷無しだ。
わざわざ"個性"を使うまでもないくらいだろう。
『(ま、私が眠くなることで多少塞げる傷があるなら…)』
私は轟くんの手を取って、"個性"を発動する。
『(少しでも多くの怪我を治してあげたい、よね…!)』
「おぉ…」
轟くんも初めての感覚に驚いているようだ。
きょとんとした表情がなんだか可愛らしい。
「凄ぇ"個性"だな…何でも治せんのか」
『んーん…何でもじゃないよ』
轟くんの言葉に、私はゆるく首を振った。
『私が出来るのは体力と外科的な回復だけ。内蔵とか気管支系…あと神経の回復は出来ないんだよね…それに外科的な怪我でも、怪我してから時間経ってたら治せないし』
「そうなのか?」
『うん。怪我したら細胞が時間と共に"回復するぞ~!"って患部を覆うでしょ?カサブタ的な感じで。でも私の"個性"を使う時には、その"カサブタ"が邪魔になっちゃうんだよねぇ』
「まぁ、そうだったんですね…」
『相澤先生の目の傷も…緑谷くんや飯田くんの手の傷も。私じゃ治してあげられない…』
轟くんの顔の傷も、と、口には出さなかったけれど心の中で呟いた。
『ま、今後怪我した時 私で良ければ、早めに看せてくれたらすぐ治しちゃうよ~!はい、終わったよ~お疲れ様!』
「早ぇな」
『元々二人とも、私の"個性"要らないくらい怪我少なかったからねぇ』
あははと苦笑しておく。
リカバリーガールは私の隣でうんうんと頷いてくれた。
ヘマはしてないし、彼女の反応からして今の所試験に問題は無さそうだ。
「後は試験が終わるまで校舎内のベッドで休むなり教室に戻るなり好きにしな」
「「はい!」」
リカバリーガールの言葉に頷き、二人はこの場を後にした。