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土曜日にスッポン事件があり、日曜日は普段通り特訓してその後は帰ってすぐに勉強をした。
そして今日。
蝉の鳴き声と授業終了のチャイムが校内に響いている。
「よし、授業はここまでにする。期末テストまで残すとこ一週間だが、お前等ちゃんと勉強してるだろうな?当然知ってるだろうが、筆記だけでなく演習もある。頭と身体を同時に鍛えておけ、以上だ」
そう言い残して相澤先生は教室を出て行った。
『職場体験から帰って来てすぐ期末テストなんて…ハード過ぎる~…』
「ちっとも気ィ休まんねーな!」
今は切島くんと私が爆豪くんの席に集まって、爆豪くんを挟んで話をしている状態だ。
「「全く勉強してなーい!」」
私達の後ろで、声を揃えてそう言ったのは上鳴くんと三奈ちゃん。
「あっはっはっは!」
「体育祭やら職場体験やらで全く勉強してねー!」
特に焦った様子も無く笑う三奈ちゃんと、頭を抱える上鳴くん。
あの辺の二人を見ていると、雄英と言えどなんだか安心する。
中間と違って期末テストは演習試験もある。
赤点を取ると、この先の行事"林間合宿"に連れて行ってもらえないのだ。
「芦戸さん、上鳴くん!が…頑張ろうよ!やっぱ全員で林間合宿行きたいもん!ね!」
「うん!」
「普通に授業受けてりゃ赤点は出ねぇだろ」
「言葉には気を付けろ!!」
緑谷くん、飯田くん、轟くん、と、それぞれ上鳴くんに向かって言葉を投げ掛けるが、上鳴くんは瀕死寸前だ。
そんな上鳴くんと三奈ちゃんを見て今度はヤオモモが口を開く。
「お二人とも…座学なら私、お力添え出来るかもしれません」
「「ヤオモモー!」」
ヤオモモの言葉に、二人はパァァッと顔を輝かせた。
「演習の方はからっきしでしょうけど…」
「?」
ヤオモモはなぜか少し落ち込んだ様子だ。
そんなヤオモモを見て轟くんは首を傾げている。
今度は響香ちゃんがヤオモモの元へとやって来た。
「お二人じゃないけどウチも良いかな?二次関数ちょっと応用躓いちゃってて…」
「え…?」
「ワリィ俺も!八百万、古文分かる?」
「えぇ…?」
「俺も良いかな…?いくつか分からない部分あってさ…」
瀬呂くん、尾白くんとヤオモモの周りにクラスメイトがわらわらと集まり始め、みんなでヤオモモに手を合わせている。
ここから見ると変わった光景だ。
「良いデストモ!!」
「「「やったぁ!」」」
こちらにまでみんなの声が聞こえてきて、私もお願いすれば良かったな、なんて心の中で思う。
「では週末にでも私の家でお勉強会催しましょう!」
「マジで!?ヤオモモん家超楽しみぃ!」
「ああ!そうなるとまずお母様に報告して講堂を開けて頂かないと…!皆さん御紅茶はどこか御贔屓ありまして!?我が家はいつもHarrodsかWedgwoodなので、御希望がありましたら用意しますわ!勿論、勉強のことも任せてください!必ず御力になってみせますわ!」
ここから見ていても分かる。
ヤオモモがなんだかプリプリしていて…
『(めちゃくちゃ可愛い…!)』
そう思ったのは私だけではなかったようで、みんなも顔が緩んでいるようだった。
「ナチュラルに生まれの違い叩き付けられたけど…」
「なんかプリプリしてんの超カァイイからどーでもいいや…」
「何だっけ?いろはす?でいいよー」
「Harrodsですね!?」
『ブフッ』
上鳴くんの"いろはす"に思わず声を上げて笑ってしまう。
そして私と同じく一連の流れを見ていた切島くんが、爆豪くんを見ながら口を開いた。
「…この人徳の差よ」
「俺もあるわ!!」
『あれには流石に叶わないねぇ』
「…てめェ等教え殺したろか…ッ!!」
「おぉ!頼む!」
『いいの!?』
そんなこんなで切島くんと私は、中間成績3位の爆豪くんに勉強を見てもらえることになったのだった。
(凄いね爆豪くん、勉強も出来るんだ!)
(流石だな爆豪!頼りにしてんぜ!)
(半端なマネしやがったらブッ殺すからな)