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ガチャリと扉を開いて控えめに顔を覗かせる。
すると…
「さっきはすんませんっしたァ!!」
待ち構えていた切島くんに、凄い勢いで土下座された。
『えっ…えぇぇ…?』
「俺マジで知らなかったんだ!断じて覗きをしようとした訳じゃねェ!でも見ちまったもんは仕方無ェ!だからすまねェ!!」
いつも通り潔い切島くんに、なんだか一々気にしている自分の方が恥ずかしくなってきた。
『うぅん、あれは事故だよ…!顔上げて!』
私の声に切島くんがゆっくりと顔を上げると、彼はハッと驚いた表情を見せた。
「(俺の服!…そうだよな、たぶん親がモカに俺の服を貸したんだ…そりゃ浴室にモカの服が置いてねェ訳だ…)」
切島くんが何やら難しい顔をしているが私も謝らないとと思い、彼の前に膝をつく。
『私が電気消してみたりアホなことしたから…ごめんね、私こそ』
申し訳無く思いそう言うと、彼は頷いてくれた。
『あの…私、全く何も見てない、から…!』
「(絶対見てんじゃねーか)」
切島くんは何か言いたそうにしていたが、内心それどころではなかった。
油断すると思い浮かぶのは…
切島くんのスッポン…
いや、バカバカ私しっかりしろ!
ブンブンと勢い良く頭を横に振り、先程の切島くんを一度頭から消す。
「そろそろ帰るか、送ってくぜ!」
そんな私を見兼ねたのか、切島くんが立ち上がった。
「俺まだ風呂入ってねぇから汗くさかったらワリィな!今日はその服着て帰って良いから!さ、行くぞ」
パパッと私の荷物を持ち、次に私を立ち上がらせてくれた切島くんに私は頷いた。
***
今は切島くんと自転車に二人乗りしている状態。
熱い顔や身体に夜風が当たって気持ち良い。
『涼しい…気持ち良い~…!』
「風呂上がりだからなぁ、風邪引くなよ?」
『引かないよ~、大丈夫!』
私が悪いのに、切島くんは全力で謝ってくれた。
というかあんなに顔赤くしてたってことは、やっぱり私の身体も見ちゃったんだよね。
たぶん鎖骨くらいまでだけど…。
『…』
そう考えるとまた身体に熱が篭ってくる。
『(せめてダイエット中がよかった…!)』
なんで自分が太ったと気付いたこのタイミングで、好きな人に裸を見られなければならないのだ。
ハァと溜め息をつくと、前方から声が掛かる。
「大丈夫か?まぁ今日は結局、いつもと同じ時間まで居ちまったもんなー…帰ったら勉強すんのか?」
『今日はいいや…たぶん出来なさそう、色んな意味で』
「だから悪かったって!」
もうほとんどネタにできそうなくらいに耐性がついてきた私達は軽く笑い合った。