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『ふあ~…気持ち良い~…』
全身を洗い終えた私は、程良い湯加減の湯船に浸かり目を閉じていた。
最近はシャワーで済ませることが多かったからなぁ…
やっぱり湯船に浸かるのって大事なんだなぁなんて実感した。
『(さっきテレビでやってた特集、お風呂の電気を消すと良いって言ってたよね)』
私は試しに浴室の電気を消してみた。
洗面所の光が小さく漏れていて、確かにこれは薄暗いためリラックスできる。
『(あとは毎日マッサージ、とも言ってたな…)』
湯船の中で軽くふくらはぎを揉んでみる。
うん、気持ち良い。
『(なんか私、必死だな)』
でもこればっかりは仕方無いと思う。
だってガールズ皆ナイスバディなんだもん…!
決して張り合おうとしている訳では無いんだけれどね、周りが凄過ぎてね…うん…
これ以上悪化しないために気を付けなきゃね…
心の中でそう思いつつ、私は再び目を閉じた。
『ふぅ…』
すると次の瞬間。
なぜか突然浴室の電気が付いた。
『!?』
目を閉じていながらでもフラッシュを浴びたかのように目がチカチカする。
『な、何…!?』
私が小さく呟いたその瞬間。
ガチャッ
「あ」
『え』
なんと、切島くんが素っ裸の状態で浴室のドアを開けて入って来たのだ。
「『!!!』」
お互い声にならない声を上げ、その場にフリーズする。
『(ははは裸…!?私が裸…!切島くんも裸…!お互いすっぽんぽん…!切島くん…すっぽん…私…切島くん…すっぽん…)』
切島くんの…スッポン…???
無意識に彼の下半身へと目線が行ってしまいそうになり、私は慌てて目を瞑った。
『(やめろ!!何をアホなことを考えてるんだ私は!!)』
ちょっと待て落ち着け!
大丈夫だ、どんな時でも常に冷静に物事を考えるんだ、よしいいな分かったな私、大丈夫大丈夫大丈夫…!
『シュア、ベストジーニ…ブクブク…』
「おい沈んでんぞ!?」
『いっ良いから出てってよ!?』
「わ、ワリィ!!」
バタン!と大きくドアの閉まる音がして、私は全力で脱力した。
『こんなToL○VEるな展開、求めてないよっ…』
私はしっかりと目に焼き付いてしまった彼の全身を、どう記憶から抹消しようかと考えていた。
大丈夫だ、戦闘服姿の彼だってほぼ半裸じゃん、見慣れてる。
爆豪くんの戦闘服も半裸だ、裸体なんて慣れっこだ。
それがたまたま全身すっぽんぽんだったってだけで。
『…す、スッポン…』
私は自分の顔中に熱が集まるのを感じた。
***切島視点
「や…ヤッベェ…!ヤベェよマジで、こればっかりはマジでダメだって…!!」
俺はパンツ一丁で自室にて這い蹲っていた。
「なんっで風呂場にモカが居んだ…!?」
いや、風呂に入るのは構わねェんだけど!
俺がコンビニから帰って風呂場に行く前の親との会話…
"ただいまー!あれ?モカは?"
"お風呂入ってもらったよ。もう結構時間経つし、アンタの部屋に居ると思うけど"
"あ、マジか"
"モカちゃんに服貸すついでにアンタの着替えも置いといたよ。この後モカちゃん送ってくんでしょ?シャワーだけでも早く済ませなさいな"
"おう!"
って会話の後だぜ?
しかも洗面所にモカの服とか置いてなかったし、風呂の電気消えてたし…!
そんなん、風呂場にモカが居るなんて気付くわきゃねーよ!
「何のご褒美だよ…俺明日死ぬのかな…」
脳裏に思い浮かぶのは、先程しっかりと目に焼き付いてしまったモカの身体。
と言っても、モカは湯船に浸かっていたため鎖骨下くらいまでだが…
それでも充分過ぎる衝撃だった。
モカの身体は思っていたよりも柔らかそうで、綺麗で、白くて、なんか美味そうだと思った。
顔を赤くして驚いた表情が可愛かった。
「~っ…」
今まで何度もあの身体を抱き締めたのだと考えただけで俺は顔に熱が集まる。
ダメだ末期だ俺。
それにまだ問題はある。
「全部見られた…全部…」
一瞬だったが、明らかにモカの視線は俺の腰辺りに…
「(っていやいや、考えるな!考えるな俺!)」
落ち着け、じゃなきゃこの後、普通に話せねェ…!
せっかくやっと仲直りして元の関係に戻ったのに、また気まずくなったり避けられるのはもう嫌だ。
そうだ、冷静に考えりゃあ大したことねェ。
「(粗末なモンぶら下げてねェし!!)」
なぜか変な方向に自分を勇気付けた俺は、立ち上がってとりあえず服を着ることにした。
***切島視点終了