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今日は土曜日。
普段なら午前中は稽古をし、午後からは切島くんと特訓の予定…なのだが。
『もうすぐ期末テストだぁあ…!』
テスト前のため、稽古はお休みなのだ。
切島くんとの特訓も普段なら午後いっぱい時間を使うのだが、特訓の時間を少し短くしてもらった。
まだテストまでは二週間程あるが、私は少し勉強したくらいで点数が稼げる程賢くない。
だからこうやってちまちまと勉強している訳だ。
『そろそろ切島くん来る頃かな…』
時計を見た私が勉強道具を片付け始めた頃、彼からメッセージが来た。
"今から家出る!"
私はそれを確認して、切島くんへのお土産"店舗限定 紅頼雄斗のマスコット"を手に取った。
***
「うぉおおおお!!紅だぁああああ!!」
『Xjap○nかな?…いや、何でもない…』
切島くんと合流して、職場体験先で買った紅のマスコットを彼に手渡すと、想像以上に大喜びしてくれた。
「これ店舗限定のヤツだ!マジか、紅だぁあ…!モカ、ありがとな!すっげー嬉しい!!」
キラキラと顔を輝かせながら紅のマスコットを色んな角度から眺める切島くんは、それはもう玩具を手にした子供のようで。
『可愛い…』
思わず声を漏らした。
慌てて口元に手を持って行くが、特にその行動は意味を成さなかったようで。
彼に私の声は聞こえていなかったらしく、彼はキラキラとした表情のまま紅のマスコットを眺めていた。
その様子に私は苦笑する。
『(紅を大好きな切島くん、やっぱり誰よりも真っ直ぐで好きだなぁ)』
「あのさ!」
紅のマスコットを見ていたかと思えば、突然こちらへと振り返る切島くん。
『ん、どうしたの?』
私は首を傾げた。
「こうやって、俺の好きなものをくれたのは純粋に嬉しいんだけどよ…」
『…うん?』
けど、と言う切島くんの言葉に、私は"彼に何かしてしまっただろうか"と焦って思考を巡らせる。
けれど特に何も思い浮かばなかったため、私は切島くんの言葉の続きを待った。
「何が嬉しいって、職場体験先で俺のことを思い出してくれたのが一番嬉しい!!」
ニッと笑顔を見せながらそう言った切島くんに、私の心臓はドキッと大きく音を立てて跳ねた。
『…そ、そんなの私だってそうだよ。電話掛けてきてくれたの、本当に嬉しかったし…』
「!」
私がそう言うと、今度は彼が押し黙ってしまった。