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『爆豪くん、おはよっ』
「…ンだそのアホ面、うっぜェ」
朝イチで爆豪くんに怪訝そうな顔をされてハッとする。
顔が相当緩んでいたらしい。
結論から言うと昨日の切島くんとの電話で、付き合ったり等の、何か新たな関係が私達の間に築き上げられた訳では無い。
"会いてェよ、モカ"
"私も…切島くんに会いたい!"
"おっしゃ!!じゃあ帰ったら、色んな話すんの楽しみにしてるわ!"
"私も!それじゃ、遅くまでごめんね!おやすみ!"
"おやすみ!"
と言った具合で通話は終了した。
正直、切島くんの口から"会いたい"と言ってもらえただけで嬉しい。
『何でもないよ〜!それより爆豪くん、これ見た?』
そう言って差し出したのは、ヒーロー殺しステインの生き様を紹介した動画だった。
「あ?」
『"KILL THE HERO-STAIN"!今めっちゃバズってるんだよこれ』
爆豪くんは知らないようだったので、動画を再生してみせる。
《「誰かが…血に染まらねば…!ヒーローを、取り戻さねば…!来い、来てみろ偽物共…!俺を殺していいのは本物のヒーロー、オールマイトだけだぁああ!!」》
『なんか…ヒーロー殺しがやったことは間違ってるけどさ…この動画見てるとヒーロー殺しの生き様って言うか信念って言うか…すごい真っ直ぐだなって感じてしまったんだよね…』
「…」
私の言葉に爆豪くんは特に何も言わなかったが、動画はしっかり見ていたようだった。
***
只今、ベストジーニストと爆豪くんと共に市内をパトロール中。
「先日の保須事件に感化された敵が動きを活発化させる恐れがある。パトロールとは言えども気を抜かずに」
『はい!』
「あぁ」
職場体験に来て五日目、ようやく爆豪くんはベストジーニストの言葉に返事をするようになった。
敬語は使わないが、これも大きな成長だと思う。
爆豪くんにここまでさせるベストジーニストはやっぱり凄い。
「唐突だが質問だ。パトロールは敵の犯罪を抑止するために行うものだが福祉的効果も期待できる。それは何か」
「敵を見付けたら速攻でぶっ潰す!」
「違う」
私が答える前に、爆豪くんはベストジーニストに即答されてしまう。
そしてそのタイミングで少し離れた所から黄色い声が飛んできた。
「ベストジーニストよ!」
「お仕事頑張ってくださーい!」
振り返ると女子高校生達が居た。
それに対してベストジーニストが手を振ると、キャーッと更に黄色い声が上がる。
ベストジーニスト、カッコイイもんなぁ。
長身細身で切れ長の目…モデル体型で顔も良い。
まぁほとんど顔隠れてるけど。
「答えは我々の存在を示し、市民達に安心を与えること」
「ケッ」
「守る者と守られる者の信頼関係を築くことだ」
『確かに、プロヒーローが街に居ると分かれば安心します…!』
「ご機嫌伺いかっつーの!」
納得する私とは反対に爆豪くんは唇を尖らせていた。