11
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昨夜、黒霧によってコンビニ前へと返された私は事務所の自室に戻るなりすぐに寝ることができた。
気が張って眠れない、なんてことはなく…
思いの外、爆睡した。
あんなことがあった次の日だが、いつも通りに朝はやって来て。
昨日爆豪くんへ渡すはずだったお菓子は死柄木弔に塵にされてしまったため、先程朝イチでコンビニに行き、お菓子を買ってきたところだ。
切島くんへのお土産"紅頼雄斗のマスコット"も忘れずに買い直したが、自分へのスイーツは買う気になれなかった。
『(お菓子買い直したのは良いけど、いつ爆豪くんに渡そう…)』
考えながら、ベストジーニストの指示通りに髪をセットする。
もうすぐ朝礼が始まる。
『(まぁいつでもいっか!)』
鞄にお菓子を入れ、ガチャリとドアを開けて集合場所に向かおうとするとすると、廊下でバッタリと爆豪くんに遭遇した。
「あ゙?クソ髪の女か」
『爆豪くんおはよう、カフェだよ!ちょうど良いところに!』
「無理」
『まだ何も言ってないし!』
なんだかデジャヴ感がある気がするけれど…
私は鞄の中に入れていたお菓子を取り出して爆豪くんに差し出した。
『はい、これ昨日言ってたお菓子!』
「今は要らねェ。荷物になんだろが、ちょっと考えりゃ分かるだろクソボケ」
『えぇ〜?んじゃ今日の体験終わってから渡すね!覚えててね!?』
そうやって短くやり取りをしながら肩を並べて私達は歩いた。
爆豪くんの隣に並ぶのも、結構馴染んできたような気がする。
隣って言っても、切島くんも一緒に三人で行動することが多いんだけど。
『(また三人でお昼食べたいなぁ)』
私達はベストジーニストの元へと向かった。
***
「昨晩発生した西東京・保須市での事件……気になるところだろう。あぁ、私も大いに気になっている」
今は朝礼中で、ベストジーニストがみんなの前に立って話をしている。
雄英生がヒーロー殺しに襲われていた所を、プロヒーローエンデヴァーが救けたと言う。
『(緑谷くん、飯田くん、轟くん…無事で良かった!みんな怪我は無かったのかな…)』
詳細はまだ発表されていないので分からない。
昨夜、緑谷くんが送ってきた一斉メールはやはりSOSメールだったらしい。
メールに記載のあったあの場所で、緑谷くん達はヒーロー殺しに襲われていたんだ…。
「人は大きな事件に目を奪われる。しかしこういう時こそヒーローは冷静でいなければならない。混沌(ケイオス)は時に人を惑わし、根底に眠る暴虐性を引きずり出そうとしてくる」
昨夜、私の身に起こったことは誰も知らない。
世間は"ヒーロー殺しの逮捕"と"脳無らしきものの出現"に目が行っているようだ。
ニュースやベストジーニストの話では"脳無に酷似した敵"とのことだが、恐らくソレは脳無で間違いないだろう。
昨日死柄木弔が去り際に"ヒーロー殺し…"と呟いていたのを聞いたし、あの後、死柄木弔は出掛ける用があるとも言っていた。
死柄木弔とヒーロー殺しは繋がっていると考えて間違いない。
昨日、あの後死柄木弔は西東京・保須市…
ヒーロー殺しの居る場所へ行ったんだ…。
「と言う訳で、今日もピッチリ平常運行。タイトなジーンズで心身共に引き締めよう」
「「『シュア!ベストジーニスト!』」」
返答のタイミングが掴めてきた私は、相棒の方々と共に返事をする。
「(来る場所間違えた…!!)」
私の隣で、爆豪くんは何も言わずにプルプルしていた。