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第一種目の50メートル走から始まり、握力、立ち幅跳び、反復横跳び…
テストは次々に進んでいき、今はソフトボール投げをしている。
『(あれ…ちょっと待って…)』
これまでのテスト中に見たみんなの"個性"は、どこからどう見ても素晴らしいものばかりだった。
みんな自分の"個性"を活かして高得点を叩き出している。
それに比べて私は…
これと言って高得点は出ていない。
『(私…結構ヤバくないか…?)』
相澤先生はテストが始まる前、"最下位の者は除籍処分にする"と言っていた。
最下位…かどうかは分かんないけれど、順位は下から数えた方が早いと思う。
『(これは…出し惜しみしてる場合じゃないなぁ)』
ここまでは、迫り来る眠気を恐れて"ある程度"しか体力を回復させていなかったけれど…
全回復していく必要がありそうだ。
私は早速全身に"気"を溜め、自身の体力を回復させる。
『…』
しばらくすると、頭に靄の掛かったような感覚…。
瞼も重くなってきた。
私はゴシゴシと目を擦る。
『んん…』
「モカ?」
『んぁ…切島くん…?』
いつの間にか切島くんが私の隣に立っており、私の顔を伺い見ている。
「おい…モカ!寝んな!しっかりしろ!意識を保て!頑張れ!お前なら出来る!やれる!頑張れ!頑張れー!!」
『ちょっと待って、吐く』
「あ、ワリ」
切島くんが物凄い勢いで肩を揺するもんだから、酔いそうになってしまった。
それにしても熱血過ぎるわ。
…でも少し眠気が飛んだ気がする。
一応感謝しておかないとだ。
「セイ!」
先程の茶髪ボブの女の子の記録は"無限"。
「すっげ!無限が出たぞ!」
『えぇ…?そんなのもう順位どうこうの問題じゃなくない…?』
凄過ぎて、空いた口が塞がらない。
えへへと照れ臭そうにしている茶髪ボブの女の子がこれまた可愛い。
次は緑谷くんの番だ。
「緑谷くんはこのままだとマズいぞ…?」
「ったりめーだ、無個性のザコだぞ!」
「無個性!?彼が入試時に何を成したか知らんのか!?」
「は?」
今朝と同じように飯田くんと金髪くんが言い争っている。
『緑谷くん、"個性"使わないのかな~?』
「最後の最後まで取っておくつもりなのか…?」
切島くんと私が首を傾げていると、
「だァから!!アイツは無個性だっつってんだろ!?」
「!?」
『うぉ、怖っ!?』
くわっと目を見開いた金髪くんが私達に怒声を浴びせた。
何なんだ、何で緑谷くんの"個性"の話にこんなに食い付いてくるんだろう、この子は。
「『…?』」
切島くんと私は顔を見合わせた。