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さて、今日から一週間ヒーロー事務所"ジーニアス"でお世話になる訳だが…
『うぅわ…ピッチピチだ…』
「…っ」
爆豪くんと私は、なぜかタイトなスキニーに着替えさせられた。
『あ…あの…ベストジーニスト…』
「どうした?まだジーンズに余裕があるか?」
『無いです!…じゃなくて!どうしてスキニーなんですか?』
こんなにもピッチピチな衣服を身に纏うことは普段無いので、身体のラインが強調されてとても恥ずかしい。
制服も戦闘服もジャージも私服も、ここまでキツいサイズの物はない。
ちらりと爆豪くんに目を遣ると、彼はわなわなと肩を震わせていた。
彼は制服をいつも着崩しているし腰パンなイメージしかないのでとても新鮮である。
「緊褌一番と言うだろう?身嗜みをきっちりとしていれば、身も心も引き締まるというものだ。さぁ、今日もタイトなジーンズで心身共に引き締めよう」
「「「シュア!ベストジーニスト!」」」
「『!?』」
突然、周りの相棒(サイドキック)の方々が揃って声を上げたので、私達は驚いて振り返る。
あ、ほんとだ、ここの人達みんなデニムのスキニー履いてる。
「さて、次は…ヘアセットだ!」
いつの間に用意したのか、櫛とヘアワックスを持つベストジーニスト。
『髪も…ですか?』
女子としてある程度整えてはいるつもりなのだけれど。
彼は私の言葉にそうだ、と頷いた。
「さぁ手鏡を持って、そこに腰掛けて」
渡された手鏡を受け取り、指定された椅子に腰掛ける。
「君の場合は…こうだな!」
ベストジーニストはパパパッと瞬間的に私の髪を纏め、カッチリとセットしてくれた。
「どうだ?引き締まった感じがしないか?」
『た、確かに…!凄い…!』
手鏡に映る自分を見る。
なんかエリート感漂う就活生、みたいな雰囲気だ。
『ねぇねぇ凄いよ爆豪くん!ほんとに引き締まった感じする!』
「フッ…そうだろう。さぁ、次は君の…」
ベストジーニストが爆豪くんに手を伸ばそうとすると、爆豪くんはその手を払い除けた。
『ちょっと…!爆豪くん、どうしたの?』
「アホくせェ、付き合ってらんねぇ」
爆豪くんは呆れたような目でこちらを見てそう言った。
「俺ァこんなとこで、ンなアホなことしてる暇ねーんだよ。帰る」
『ちょっと待っ…』
スタスタと扉の方へと歩いて行く爆豪くんの背中にベストジーニストが声を掛けた。
「そんなことで、本当にヒーローになれると思っているのか?とんだ自由人だな」
「…あ゙ァ!?」
ベストジーニストの発言が聞き捨てならなかったのか、爆豪くんは勢い良くこちらを振り返る。
「自分の思うまま好き放題やってなりたいものになる?それは敵と同じだろう」
「…ンだとてめぇええ!!」
掴みかかりそうな勢いで爆豪くんがこちらに戻って来たかと思えば、爆豪くんがまた拘束されてしまった。
「少々手荒だが仕方あるまい…」
「オイ離せクソがぁああ!!」
拘束したままの爆豪くんを椅子に座らせ、ベストジーニストは櫛を構えた。