11
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ここは東京都内のとあるヒーロー事務所の一室。
私の隣に居るのは…
『爆豪くん!一緒だったんだね!』
なんと爆豪くんだった。
「あぁ゙?ンでこんなとこ来てまでクソ髪の女と過ごさなきゃなんねェんだよ…」
『カフェね!だって人気ヒーローのベストジーニストから指名来てたから興味湧いちゃって…!』
いつものやり取りをしていると扉が開き、プロヒーローのベストジーニストが入って来た。
『(わぁ凄い、背高い…頭良さそう…!)』
彼は私達の目の前に立つ。
そして爆豪くんと私を交互に見た後。
再度爆豪くんへ視線を移してベストジーニストは言った。
「正直、君のことは好きじゃない」
「『…は?』」
言われた爆豪くんだけではなく私も驚いた。
開口一番にこの人は何を言い始めるんだ。
「私の事務所を選んだのもどうせ、五本の指に入る超人気ヒーローだからだろ?」
「指名入れたのアンタだろが…」
「そう!」
爆豪くんがベストジーニストに向かって言い返す。
少しイライラし始めたようだ。
「最近は良い子な志望者ばかりでねぇ…久々にグッと来たよ。君の体育祭での活躍、見せてもらった。潜在能力の高い"個性"を自在に操り更に応用力まで身に着けてる。今すぐ事務所の相棒に採用されてもおかしくない程の逸材だ」
確かに爆豪くんは凄いけれど…
ベストジーニストは何を言いたいんだろう。
「しかし、君には致命的な欠陥がある…自分が一番強いと思い込み、なりふり構わずそれを実践しようとする、凶暴な人間性」
『で、でも爆豪くんは…』
「わざわざ指名してお説教っ…」
私が爆豪くんを庇って一歩前に出ると、足元を糸のようなもので掬い、縛られた。
『うあっ!』
そしてバランスを崩した私はその場に倒れ込んでしまった。
爆豪くんは全身を縛られている。
「そっちの君はそれが欠点だ」
ベストジーニストはちらりと転んだままの私に目を遣る。
『け、欠点…?』
「君は割と冷静な部分はあるが、全体的に考えが甘い。持ち前の"個性"で"怪我人が居れば誰彼構わず救ける"。大事なことだが物事の優先順位を理解し切れていない。場合によってはその考え方や甘さに目を付けられ足を掬われる…敵にもだ」
体育祭の時にテレビの回っている中で人を救けたシーンと言えば…
B組の庄田くんを回復させようとしていたところだろうか。
あれ、放送されてたんだ。
「今だって、わざと彼を挑発した私に不満を抱いただろう?そして文字通り足を掬われた結果、そうなっている」
足を縛られて転んだままの私を見て言うベストジーニストに、何も言葉が出ない。
「そんな者達を"矯正"するのが私のヒーロー活動。敵もヒーローも表裏一体」
私がよたよたと立ち上がる間にも爆豪くんとベストジーニストは目を合わせて話を進めている。
「そのギラ付いた目に見せてやるよ…何が人をヒーローたらしめるのか」
「…何しようってんだ」
「決まってる、君をヒーローの規範となるべき人間になるよう教育するのさ。そっちの君は、その甘い考えを捨て去り、社会で生き抜くことのできるようなヒーローになるために教育する」
『…』
私は息を呑んだ。