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なんだ、じゃあ高校に入ってから切島くんに好きな人が出来たって言うのは…
私の思い込みだったってこと…?
『でも切島くんは"参考に"って…』
「そんなに難しく考えなくて良いのよ。私達A組女子で以前ここに来た時みたいに、切島ちゃんはただ単純に"モカちゃんに付き合っている人が居るか"聞いただけよ」
"みんな彼氏とか好きな子居ないの!?"と、以前ニヤニヤしていた三奈ちゃんを思い出す。
『ただ…聞いただけ…』
じゃあ私はここ最近、何のために切島くんと距離を置いてたの…?
そんなのって…そんなのって…
「切島ちゃん、今少し困っているんじゃないかしら」
『う…』
確かに切島くんからすれば訳が分からないだろう。
私が勝手に思い違いをして避け始めて。
勘違いも甚だしい、いい迷惑だ。
『そっか…切島くんに申し訳無いな…謝りたい…』
「切島ちゃんの言葉に少し敏感になってたのね。でもそれは悪いことじゃないわ、それだけモカちゃんが切島ちゃんを大切に思ってるってことだから」
『………うん…っ』
「ちゃんと話せばきっと分かってくれるわ!」
優しく語り掛けてくれる梅雨ちゃんに、私は大きく頷いた。
『梅雨ちゃん、私切島くんに謝りたい…ちゃんと話したい!』
「ケロッ!でも焦り過ぎは良くないと思うわ。しっかりモカちゃんの気持ちを纏めて、タイミングを考えて言うべきだわ」
梅雨ちゃんはそう言ってティーカップに口を付けた。
『(タイミング…かぁ…)』
私もケーキをつつく。
明日から職場体験が始まる。
私は切島くんと同じフォースカインドの事務所を選んだ訳ではないから、これから一週間丸々彼には会わないことになる。
この微妙な関係が続くのは嫌だ、早く解決して元の関係に戻りたい。
『(なら…今日の夜しかない…!)』
意を決した私を見て、梅雨ちゃんはニコッと笑ってくれた。
『ありがとう、梅雨ちゃん!』
心配させちゃったけど、緑谷くんといい梅雨ちゃんといい、良い友達を持ったなぁ。