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ファミレスで切島くん達と遭遇した昨日…
そそくさと切島くんは帰って行った。
今日登校してからは一度も彼と話していない。
おはようの挨拶もしないなんて、こんなのいつぶりだろう。
上鳴くんや響香ちゃんとは今日話したものの、昨日のことについては何も触れてこなかった。
ランチタイムは今まで以上に切島くんと私がギクシャクしてしまい、爆豪くんが"ウゼェ!!"とキレてしまったため、食べ終わり次第すぐに解散となった。
そして私は教室に戻り、机に伏せて今に至る。
「…」
『…』
仮眠を取ろうと思っていたんだけれど…
眠れない理由がある。
「ブツブツ…ブツブツ…」
『…』
なぜか緑谷くんが私の席の周辺を、やたらとうろついているのだ。
机に顔を伏せていても、彼が小声でブツブツ言っているのがよく聞こえる。
うぅ、眠れない。
「うわわ…いつも明るいカフェさんがなんかめっちゃどんよりしてる…!どんよりっていうより落ち込んでるって感じだ…!"個性"使った後とかに仮眠取ってるのはよく見てきたけど、明らかに雰囲気が違うって言うか何て言うか…!声、掛けた方が良いのかな…でも変に刺激しちゃうと余計に落ち込ませちゃうかもしれないし、もしそれで取り返しのつかないことになったら僕なんかに責任取れないし…ど、どうしようこういう時ってどうすれば…」
『…緑谷くん、聞こえてる』
私は一言そう言って、ゆっくりと顔を上げた。
「わっ!?ご、ごめんカフェさん…」
カァッと顔を赤らめて目を逸らす緑谷くんに、心配させてしまったなぁと申し訳無く感じる。
「あのさ…僕、入学してからいつもカフェさんには救けてもらってばかりだったから…僕もカフェさんを救けたいんだ」
『緑谷くん…』
辿々しくも、必死に言葉を紡いでくれる緑谷くん。
「僕なんか頼りになんないかもしれない、けど…!僕に出来ることがあれば言ってね。カフェさんが辛そうな顔してるのは、似合わないと思う…から…!」
『…うん、ありがと』
そこまで言って、えへへと照れ笑いをする緑谷くんに、私も笑った。
『緑谷くんってたまにさ、サラッと恥ずかしいセリフ言うよねぇ』
「え!?…って、いや…ち、ちがっ!今のはそういう感じの意味じゃなくて!フツーに!カフェさんが心配って言うか…!」
緑谷くんはわたわたと顔を赤くしながら必死に弁解している。
私はそんな緑谷くんを見て、数日ぶりに心から笑った。
「「「(二人ともやめろぉ外でやれ…!!)」」」
「…」
「「「(切島プルプルしてんじゃねーか…!)」」」
周りの空気が重くなり始めたその時。
梅雨ちゃんが私の傍へとやって来た。
『梅雨ちゃん…?』
「モカちゃん。今日の放課後、少し時間良いかしら」
私は首を傾げたが、すぐに頷いた。