10
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「それはお前が悪い!お前の言い方が紛らわしい!謝れ!」
「は…はァ!?今の流れのどこが悪ィんだよ!?聞いただけじゃん!なんでそれで俺が嫌われてんだ!?」
「気付けバカ!モカたぶん変な方向に誤解してるっぽいな…」
「誤解!?」
"誤解"と聞いて、俺は非常に焦った。
「いい?まず、モカはアンタのことは嫌ってないと思う」
「そ、そうなのか!?」
それを聞いてほっと安心したのも束の間。
「でも最近、モカはアンタのこと避けてるよね。第三者のアタシ等から見ても分かる。で、アンタも訳が分からないからそのままの状態…結果的に距離が出来てしまってる」
「ゔっ…」
だってこれ以上嫌われたくねーんだもん。
そう思ったら考え込んでしまって何も行動出来なかったんだ。
我ながら情けねェ、男気の欠片もありゃしねェ…!
「"高校生にもなれば恋愛意識"…たぶんカフェさ、切島が高校に入ってから好きなヤツできた…って思って悲しかったんじゃね?」
上鳴の言葉に、色んな意味で衝撃を受けた。
「そっ…そんなの居ねぇよ、俺にはモカだけだ!」
「俺に言うなよカフェに言え!」
「おっしゃ!!」
「違う今じゃない」
今にも走り出しそうな俺を耳郎が制する。
「アンタ、良くも悪くも行動早過ぎ。ちゃんと頃合いを見て話しに行くべきでしょーが」
「頃合いを…見て…」
そりゃそうだ、納得。
でももう一つ気になる点がある。
「俺に好きなヤツができたら…なんでモカが悲しいんだよ…?」
ぽつりとテーブルを見て呟く。
沸々と熱い感情が己の内側から湧き上がってくるのが分かった。
「切島…何その顔、緩み過ぎ」
「もう完全に意味分かってんじゃん」
ニヤニヤと俺を見て笑う二人。
「(…だってつまりそれってさ。"嫉妬してくれた"ってことなんじゃねぇの)」
そんなの、顔が緩むくらい許してほしい。
ここまで俺の思考を導いてくれた二人には感謝しねェとだ。
「なんかスッキリしたぁ!!サンキューな、二人とも!頃合いを見て、ちゃんとモカに話すわ!」
そう、決心したのに。
「マジ世話焼ける!」
「アホだろ…」
「いやー!タメになったわ!」
ファミレスを出ると、尾白と楽しそうに帰路を共にするモカに遭遇した。
「(や…ヤベーよ…今のこの状況マジヤベーよ…!)」
「(なんつータイミングの悪さだよ!よりにもよってこんな…!)」
「(あぁ…空気が重い…)」
上鳴、耳郎、そして尾白もその場で固まっていた。
俺との特訓を断ったモカが、尾白と二人で帰ってるなんて。
「("そういうこと"じゃねぇのかよ…なんか俺、もう分かんねぇよ…)」
***切島視点終了