10
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「俺さァ、体育祭で自分が負けた時のことなんか考えてなかったからよ…大事な話があるって言っちまった以上、何か話さねーとって思っちまって。後から考えりゃあ"次優勝した時に改めて伝える"って言えば良かったんだが…余計なこと聞いちまったかも」
「余計なこと?」
「"彼氏は居るのか"って」
上鳴と耳郎は大きく溜め息をついた。
「その質問は今更過ぎるでしょ…」
「だ、だってよ、確認しとかねーと!プール入る時も手足から水掛けていくだろ!?告白して"実は彼氏居ました〜"なんて言われたら笑えねぇぜ!?」
「いやいや何の心配してんの…」
「オメー等の仲割って入ってこうとするヤツなんていねーよ!」
こちらを指差す上鳴に、俺は俯いた。
「…居るさ。仲の良い尾白も、最近の緑谷も、USJン時の敵も…」
「切島…」
突然声のトーンを落とした俺に、二人は少し焦り始めたようだ。
「俺の知らねェ所で、いつの間にかモカは他のヤツと笑い合ってる。ずっと見てきたはずなのに、たまにモカの知らない一面を見ると、アイツが遠くに感じるんだ」
「…」
みっともねェ話だが、嫉妬している自分が居る。
寂しいんだ。
「その質問の後さ…モカは何て言ったの?」
耳郎が俺の顔色を伺いながら聞いてくる。
「一瞬驚いてたけど、居ねェって。それに対して俺は恥ずかしくなって、変に弁解の言葉並べて…」
「弁解の言葉?」
"居ねェんだな!分かった!それが聞きたかっただけだ!そんだけだ!"
"それが聞きたかっただけ…"
"あ!いや、ほら!変な意味じゃなくて!"
"う、うん…!分かってる!分かってるよ!"
"やっぱ高校生にもなれば誰でも、恋愛のこととか意識し出すだろ?ちょっと参考にしようと思っただけだ!"
"…え…?"
「…って流れだな」
「「そ…それだーッ!!」」
「うぉっ!?」
突然声を張り上げた二人に俺はビクッと肩を揺らした。