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***切島視点
「上鳴!耳郎!頼む、お前等の力が必要なんだっ!!」
二人に両手を合わせて、放課後に時間を作ってもらった。
俺達三人はファミレスに来ている。
「ま、大体想像してたけどさァ…切島ってバカなんだな!」
「なんっでアンタはこう…上手いこと立ち回れないワケ!?」
「お、おっしゃる通りです…」
二人に"アホ"やら"筋肉バカ"やら散々言われるが、俺は俯くことしか出来なかった。
「でもよ、俺めちゃくちゃ考えたんだぜ!?それでも分かんねェんだよ!」
俺は頭を抱えた。
「なんで俺、モカに嫌われてんだ…!?」
そんな俺に、今度は耳郎が頭を抱えた。
「上鳴…コイツどうする?場合によってはアンタよりアホかもしんないよ?」
「おいおい、それってつまり救いようのないアホってことだぜ切島…!気付けよ!」
「やっぱアンタが一番アホだわ」
はー、と溜め息をつく耳郎。
「とりあえず順を追って説明してくれる?」
俺は耳郎の言葉に頷いた。
「耳郎…今まで隠してたんだが、実は俺はモカのことが好きなんだ」
「知ってるし」
「…はァ!?」
知ってるって何でだ…!?
この前上鳴と瀬呂には話したが耳郎に話した覚えは無い。
「アンタ分かりやす過ぎだから。気付いてないヤツなんて居ないと思うよ」
「そ、そうだったのかっ…!!」
途端に顔が熱くなってくる。
「で、続きは?」
「あぁ…で、俺、体育祭で優勝したらモカに気持ちを伝えようと思ってたんだ。上鳴と瀬呂に背中押されてさ」
「お、ちゃんと考えてたのか!偉いじゃん切島!」
上鳴はそれを聞いて嬉しそうにしている。
「でも結果はベスト8止まりで俺は爆豪に負けちまったんだ。で、体育祭の後モカと二人で話してたんだけど。モカはめっちゃ慰めてくれた」
「「(惚気かよっ…)」」
「ただ、そこから変なんだ。考えても考えても、なんで変なのかが分かんねェ。でもたぶん、俺がモカに何かしちまったんだと…思う…」
「何かって…心当たりはあんの?」
耳郎がイヤホンジャックを指でくるくると弄りながら聞いてくる。
「慰めてくれてる時、どさくさに紛れて…ちょっと尻触った」
「「アホじゃん」」
あの時は俺が座ってモカが立っていたから。
モカから抱き締めてくれた時にちょっと尻に手が…
たまたま…いや、たまたまは嘘だ、触りましたごめんなさい。
「後は胸…とか」
「胸!!?」
身長差がある状態で向かい合って抱き締めてくれたから、ちょうど俺の顔がモカのむ、胸に埋まる形で…!
いやアレは正直、天国だった。
「完ッ全セクハラじゃねーか!」
ダンッと机に手を付いて立ち上がる耳郎。
「はぁ、アホらし!大事なモカのことで悩んでるって言うから心配してたのに…!」
帰り支度を始める耳郎に、俺は焦ってストップを掛ける。
「待て待て誤解だ!胸に関しちゃモカから抱き締めてくれたし、その後からが変なんだ!」
「カフェから胸を提供してきただと…!?う、羨まけしからん…!!」
上鳴が何やら言っているがとりあえず放置だ。
「耳郎、もう少しだけ聞いてくれ!なっ?」
手を合わせると耳郎は渋々、元の席に着いた。