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体育祭が閉幕し、私達はジャージから制服に着替えて教室で待機している。
相澤先生のホームルームさえ終われば帰れるのだ。
「常闇の黒影、強かったな〜!」
「お茶子ちゃん、ナイスファイトだったわ!」
みんなそれぞれ体育祭を振り返り、感想を言い合っている。
『…』
私は未だにムスッとしている爆豪くんの元へと歩み寄った。
『爆豪くん〜!優勝おめでとう!』
「「「(今の爆豪にその言葉は…!)」」」
爆豪くんと私の周りの空気がサァッと冷たくなった気がした。
「あ゙ぁ!?お前さっきの見てたんか!?クソ髪の女テメェ!」
私は半分寝そうだったとは言え、しっかりと表彰式は見ていた。
普通なら爆豪くんに"おめでとう"なんて言葉を掛けるべきでは無いと考えるだろう。
でもあの時の…
最後に轟くんの胸倉を掴んで叫んでいた爆豪くんを思い返すと放っておけなくて。
このままで居て欲しくなくて、少しでも元気になって欲しくて。
『カフェね。ねぇねぇメダル見せて!触ってもいい?』
「ハッ。なんっの価値もねぇよ、ンなもん!」
私は、わざとこうしているのだ。
『うわぁ金メダルだ、これ本物の金かな!?』
ずっしりと重みのあるメダルを手に取り色々な角度から眺めていると、切島くんがやって来た。
「俺も見てェ!…うっわすっげ!何つーの、一位の重み?みてェなの感じるぜ!」
「んなもんねェわボケが」
切島くんも爆豪くんのことが心配なのだろう。
爆豪くんを囲んで切島くんと私が賑やかに話していると、爆豪くんは先程よりも幾分か落ち着いた様子だった。
クラスメイトのみんなの空気も今度は和んでいるようだ。
「「「(流石だなアイツ等…!)」」」
その時、ガラッと教室の扉が開いて相澤先生が入って来る。
「あ、席戻んねぇと!」
『ほんとだ!爆豪くんメダルありがと!ちゃんと持っときなよ、はい!』
「んがっ!?」
表彰式でオールマイトがしていたように、私は咄嗟に爆豪くんにメダルを噛ませて席に戻った。
「「「(すげぇなカフェ!!)」」」
爆豪くんは怒声を発することはなく、プルプルと身体を震わせながら俯いている。
相澤先生が来たため今更暴れられないのだろう、助かった。
そんな私達を見届けて、教壇に立った相澤先生が開口した。
「お疲れっつぅことで明日、明後日は休校だ。プロからの指名等をこっちで纏めて休み明けにでも発表する。ドキドキしながらしっかり休んでおけ」
「「『はい!』」」
体育祭の振替え休日かぁ!
明日、明後日とお休みなのは嬉しいな。
久し振りに出掛けようか、それともトレーニングをしようか。
家でゆっくり過ごすのもいいなぁ。
あー、でも最近勉強に割く時間少なかったしなぁ…。
「以上、解散!」
私は休みの日の過ごし方を考えながら、帰宅の準備を始めた。