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《「さァいよいよラスト!雄英一年の頂点がここで決まる!」》
いよいよ決勝戦、爆豪くんと轟くんの試合だ。
《「決勝戦轟 vs 爆豪!今!スタート!!」》
開始と同時に轟くんの氷が特大サイズで出現し、その氷は爆豪くんを丸ごと覆い隠した。
《「轟いきなりかましたあ!爆豪との接戦を嫌がったか!早速優勝者決定か!?」》
爆豪くんが氷に包まれる前に、彼が高速で氷に爆破を繰り返していたのが目に焼き付いている。
そこから何度もドォンと言う鈍い音が連続で響いた。
『(爆豪くん、氷を打ち破るつもりか…)』
「何だこの音…!?」
「爆豪ちゃんの仕業ね」
そして段々と音が大きくなってきたかと思えば…
パリィイン!!
爆豪くんは氷を割って出てきた。
「爆発で氷結を防いでモグラみてェに掘り進めたのか!?」
「んなケッタイな!」
「強ェ"個性"故に…攻め方が大雑把だ!」
爆豪くんが轟くんに向かって突っ込んで行った。
轟くんも爆豪くんに突っ込んだかと思えば、爆豪くんは空中で爆破し方向転換をする。
「右側を避けて掴んだ!?」
「凄い!」
「ナメ…ってんのか…バァァアカ!!」
爆豪くんは轟くんの腕を掴んでステージの外側へと放り投げた。
が、轟くんは咄嗟に氷壁を作り場外アウトを回避する。
《「氷壁で場外アウトを回避ー!楽しそう!」》
轟くんが氷上を滑り進んで行き、そのまま爆豪くんの腕を"左手"で掴む。
炎が来る、そう思ったが実際は放り投げただけだった。
「チッ…ざけんなよ…俺じゃ力不足かよ…!?」
爆豪くんがイラつき始める。
《「左側をわざわざ掴んだり爆発のタイミングだったり、研究してるよ…戦う度にセンスが光ってくなぁアイツは」》
《「ほぅほぅ!?」》
《「轟も動きは良いんだが、攻撃は単純だ。緑谷戦以降、どこか調子が崩れてるなァ…」》
相澤先生の落ち着いた解説に私はなるほどと頷く。
「てめェ!虚仮にすんのも大概にしろよ!ぶっ殺すぞ!!」
「!」
爆豪くんは手のひらで爆破を繰り返す。
「俺が取んのは完膚無きまでの一位なんだよ!舐めプのクソカスに勝っても取れねんだよ、デクより上に行かねーと意味ねぇんだよ!勝つつもりもねェなら俺の前に立つな!!何でここに立っとんだクソがぁああ!!」
爆豪くんは轟くんに向かって走る。
するとその時私の前方で緑谷くんが立ち上がった。
「轟くん!!負けるな!頑張れ!!」
「…!」
「クソナードが…!」
緑谷くんの声を聞いて、炎を出す轟くん。
そのまま突っ込んでくる爆豪くんに、轟くんが構えを取った。
…が。
『炎…消した…?』
「榴弾砲着弾!!」
《「麗日戦で見せた特大火力に勢いと回転を加え、正に人間手榴弾!轟は緑谷戦での超爆風を撃たなかったようだが、果たして…!?」》
辺りに溢れ返っていた煙幕が落ち着く。
…ステージの外には轟くんが伏せていた。
轟くんの場外アウトだ。
『…』
「オイっ………ふっ…」
試合が終わったにも関わらず、爆豪くんは轟くんに向かって走り出してその胸倉を掴んで揺さぶった。
轟くんは気を失っているようだ…。
「ふざけんなよ!!こんなの!!こんっ…!!」
そのまま轟くんに殴り掛かりそうな勢いだったが、爆豪くんはミッドナイトの"個性"によって意識を失い倒れてしまった。
「轟くん場外!よって、爆豪くんの勝ち!」
《「以上で全ての競技が終了!今年度、雄英体育祭一年の優勝は…A組、爆豪勝己ー!!」》
私は唖然としていた。
最後に轟くんの胸倉を掴む爆豪くんの…
"声"が"泣いていた"。
『…』
"左"を使わなかった轟くんを倒して一位になって。
こんな終わり方。
爆豪くんにとって、あんまりじゃないか。