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私はまた出張保健所に来ていた。
今日はもう何度もリカバリーガールを困らせているので、これ以上迷惑を掛ける訳にはいかないから部屋の外で壁に凭れている。
「ありがとうございましたー」
カラリと扉が開き、顔を上げる。
ちょうど頭に包帯を巻いた切島くんが部屋から出てくるところだった。
『切島くん!』
「モカ!?」
切島くんは驚いてこちらを見る。
私がこんなところまで迎えに来ているとは思っていなかったようだ。
「…っ」
切島くんはギリッと歯を食いしばる。
「モカ…俺、」
『そういう話は後にしよう!』
「…、」
『もう準決勝始まるよ?』
「でもよ…!」
珍しく聞き分けの悪い切島くん。
『…』
「!」
私は一呼吸置いてそんな彼を抱き締めた。
『…お疲れ様。頑張ったね』
ぽんぽんと背中を叩いて"個性"を発動する。
ちょっと私、今日は"個性"使い過ぎ…かも?
「う、うぉおおおお!!モカーっ!!」
切島くんは勢い良く涙を流しながら全力で抱き締め返してくれた。
『ちょっ、力めっちゃ強っ!』
リカバリーガールの治癒を受けた後に私の回復も重なって、たぶん切島くんはめちゃくちゃ元気なのだろう。
傷が全部癒えたって訳ではないけど、そう思えるくらいの勢いだ。
私達はしばらくそのままの状態で抱き合っていた。
***
あの後しばらくして落ち着いた切島くんは、私と共に観客席に戻り適当な席に座った。
その頃にはもう爆豪くんと常闇くんの試合が始まっており、いきなりクライマックスだった。
「うぉお爆豪、常闇の裏をとったー!」
「閃光弾!!」
爆豪くんの声と共に大爆破が起こる。
《「煙幕ばっかだな…!どうだどうだ!?」》
煙幕が晴れるとそこには常闇くんの嘴(くちばし)を鷲掴みにする爆豪くんが居た。
「常闇くん降参!爆豪くんの勝利!」
《「よって決勝は轟 vs 爆豪に決定だぁあ!!」》
なるほど、常闇くんの"個性"黒影は光に弱いのか…。
相手が爆豪くんだったならそれこそ相性は最悪だ。
今後はクラスメイトの彼と対戦することもあるだろうし有益な情報を得ることができたな。
「俺、常闇いくと思ったわー」
「彼も無敵ではないということか…!」
「光が弱点か?なるほど…爆豪そういうとこ突くの好きだな…」
『怖いねぇ』
そう言いながら私はペットボトルに口を付けた。