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うぅん…"個性"を使ったせいで眠くなってきた。
私は目を軽く擦る。
《「お待たせしたなエビバディ!?二回戦第一試合はビッグマッチ!今回の体育祭、両者トップクラスの成績!今!緑谷vs轟、スタートォ!!」》
開始の瞬間に轟くんが勢い良く氷を出した。
そしてそれを緑谷くんが超パワーで相殺し、氷が弾ける。
《「おぉお!緑谷、轟の攻撃を破ったぁ!」》
氷を出しては砕いて、出しては砕いて。
それを何度も繰り返す。
『(今は相殺出来てる…けど、緑谷くんの技は使う度に身体を負傷する…回数制限があるのに、そんなに何度も繰り返していたら指が…!)』
「ゲッ!始まってんじゃん!」
ごちゃごちゃと考えていると後ろから声が掛かり、振り返ると切島くんが立っていた。
『切島くん…!』
目が合ったので親指を立てると、切島くんも嬉しそうにこちらに親指を立ててくれた。
「お!切島、二回戦進出やったな!」
「そうよ!次おめーとだ爆豪、よろしくっ!」
「ぶっ殺す」
「ハッハッハ、やってみな!」
切島くんは暴言を吐く爆豪くんを笑い飛ばした。
「とか言って、おめーも轟も強烈な範囲攻撃ポンポン出してくるからなー…バーッつって」
「な!」
爆豪くんの猛攻は確かに手強い。
勢いやパワーが強い上にタイムラグ無しとは…本当に隙が無い。
「ポンポンじゃねぇよ、ナメんな」
「ん?」
「筋肉酷使すりゃ筋繊維が切れるし、走り続けりゃ息切れる。"個性"だって身体機能だ、ヤツ等にも何らかの"限度"はあるはずだろ」
「考えりゃそりゃそっか…じゃあ緑谷、瞬殺マンの轟に…」
《「轟、緑谷の攻撃に怯むことなく近接へ!」》
ステージに目を戻すと、攻撃や回避を重ねる二人が目に入る。
そして轟くんが緑谷くんの足を氷で捕えた。
それに対して緑谷くんは左腕を大きく振りかぶる。
『緑谷くんの攻撃力が増してる!』
「あぁ、さっきまでのパワーとは全然違ェ!」
いつの間にか切島くんは私の隣に、当然のように腰掛けていた。
目の前の緑谷くんと轟くんに圧倒され過ぎて気付かなかった…
そしてステージの二人が何やら話をしているかと思えば、轟くんの氷が緑谷くんに凄い勢いで迫る。
《「圧倒的に攻め続けた轟!トドメの氷結をー…!」》
プレゼント・マイクは"トドメ"と言ったが…
緑谷くんは轟くんの氷を打ち破り、なんと轟くんを舞台の端ギリギリの所まで押し出していた。
「…震えてるよ、轟くん」
静かな会場内に緑谷くんの声が響く。
「それって左を使えば解決できる話なんじゃないか…?みんな本気でやってる!目標に近付くために…一番になるために!半分の力で勝つ!?まだ僕は君に傷一つ付けられちゃいないぞ…!」
『…』
「全力でかかって来い!!」
「…」
『!』
緑谷くんの言葉に、ブルッと鳥肌が立った。