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4月。
今日は入学式当日。
少し早めに家を出た私は自分のクラス"1-A"と書かれた扉の前に立っている。
新たな生活の始まりだ。
ガラッ
『おは…』
「女子だぁああ〜!!」
『うわぁっ!?』
扉を開けた瞬間、目の前から小さな男の子がこちら目掛けて飛んで来た。
そのため、反射的に習いたての体術で男の子を床に叩き落としてしまったのだ。
「峰田くん!初対面の女子に対して失礼だとは思わないのか!?」
「く…くっそぉ…一切触れなかったぜ…」
峰田と呼ばれた男の子は手をワキワキさせたまま、未だ床でくたばっている。
何だその手は、なんかやだな。
なんて思いつつも、私は峰田くんに手を差し出す。
『ご、ごめん!反射的に…!立てる?』
「お、おう…(今度こそ触る…!)」
峰田くんは私の手を取らず、そそくさと奥の方の席へと駆けて行ってしまった。
そして峰田くんとは入れ替わりに、眼鏡の男の子がこちらへやって来る。
『あ、確か入試説明会の時の…』
やたら攻めた言い方をする気の難しそうなエリート男子だ。
「む、俺のことを知っているのか?」
『う、うん、見たことあるな〜って…たぶん入試の日に』
ずいっと寄ってくる彼…話すのと同時に手が動いて、なんかロボットみたいだ。
「俺は飯田天哉、宜しく!」
『飯田くんかぁ。カフェモカです、よろしくね』
ご丁寧に手を差し出してくれた飯田くんと握手をしたその時。
よく馴染んだ声が聞こえてきた。
「モカ!?お前A組かよ!」
『切島くん!?』
声のした方に目を向ければ、そこにはなんと切島くんが居たのだ。
「二人とも知り合いなのか!?」
飯田くんが驚いた様子で切島くんと私を交互に見る。
『うん、同じ中学出身なんだ!』
軽く説明すると飯田くんはなるほどと呟いた。
「つか峰田を叩き落とすってお前!反射神経良過ぎだろ!」
『身の危険を感じたもので…』
切島くんと話していると私の後ろからまた更に生徒が来たので、飯田くんはそちらへ自己紹介に行ってしまった。
…髪を赤く染めたあの日から、切島くんとは昨日まで毎日特訓をしていた。
だから全く久し振りな感じはない。
ただ、雄英の制服姿は新鮮だけれど。
切島くんが同じクラスで良かった…安心する。
『ねぇ、三奈ちゃん見てない?』
「芦戸は見てねェな…まだ来てねェか他クラスか、だな!」
今日は少し早く着いてしまったからなぁ…
もう少し後の時間に来るのかな?
三奈ちゃんも同じクラスだと良いな。
『あ、そうだ切島くん昨日…ふあっ!?』
突然背後から抱き締められ、驚いて振り返る。
そこには、
「モカ!」
『三奈ちゃん!』
三奈ちゃんが居た。
噂をすれば何とやら、だ。
「カフェくん、こちらの女子も知り合いなのか!?」
またもや飯田くんがやって来る。
『あ、うん彼女も同じ中学で…』
「アタシ芦戸三奈っ!モカ、雄英の制服超似合ってんじゃん!」
あぁ、切島くんも三奈ちゃんも同じクラスなんて、最高じゃん…!
登校初日からこんなにみんなと話せるなんて。
高校生活、幸先良いかも!
私は一人頬を緩ませた。