高校生
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「よしよし」
「おー。お帰り~」
連日の激務を終えて帰宅した私を出迎えたのは、リョーガの間延びした声だった。
「…ただい、ま……」
何とかそう返し、ソファで雑誌を読んでいたリョーガの隣に座り込む。
いつ来たんだろう、とか。顔見るの久し振りだな、とか。ぼんやりと頭に浮かんで来るけど、疲れきった私にそれ以上の言葉を発することはできなかった。
背もたれに頭を預けたまま、目を閉じる。
疲れた…。もう、何もしたくない…。せっかく、リョーガが来てくれた、のに…。
じわりと、涙が出そうになる。
気付かれたくなくて、私は自分の腕で目元を覆った。
そうしていると、頭に感じる柔らかな衝撃。
ゆるゆると腕を下ろしながら、その先に目を向ける。
「よ~し よし よし 偉いぞ~」
ニコニコと、そう言いながら私の頭を撫でるリョーガ。
何だ、それは。私は子供か。
相変わらず ぼんやりとした頭でそんなことを考えていると、撫でていた手を止めて、リョーガが顔を覗き込んでくる。
視線で「何…?」と問えば、伝わったのか何なのか。
ふっと笑ったリョーガの手が、いつの間にか後頭部に回り…
ーーーー
額に触れる柔らかな温もりと、小さなリップ音。
「お疲れさん。よく頑張ったな」
温かい穏やかな笑みと、優しい声。
自然と流れた涙を、リョーガの温かい手に拭われる。
さっき、堪えたのにな…。リョーガは、ずるい…。
そう思いながらも、リョーガにそうされれば自然と頬が弛んでしまう。これが惚れた弱み、というやつだろうか。
「……リョーガ…」
「ん。」
ゆるゆると手を伸ばせば、そのままリョーガの腕の中に引き寄せられた。
ぎゅっと抱き締められたまま、リョーガの胸に顔を寄せる。
トクトクと響く鼓動が、心地好い。
「………リョーガ…… 大好き……」
「…知ってるよ。……俺も、好きだぜ」
リョーガの優しい音と温もりに包まれながら、私の意識はゆるゆると落ちていった。
End.
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