露玉
貴女のお名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
馬岱は固まったままで居る彼女に、くつくつと喉を鳴らした。
また無防備になって。
これじゃ襲ってくれって言ってるのと変わらない。
そう都合の良い解釈をした馬岱は、今度は名無しさんの唇に触れるだけの口付けを落とす。
「んっ・・・!?」
「今のは口直し。やっぱり、墨より名無しさんの方がずっと良いよね」
そりゃあそうだろう。
墨と比べられては堪らない。
言葉に出来ない代わりに、名無しさんは馬岱の胸を押した。
それよりも早く、馬岱の腕が彼女の体を抱き締める。
「駄目だよ、俺から離れるなんて」
「は、離して・・・こんな」
「こんな所で、かい?それなら大丈夫だよ。こんな時間に誰も通ったりしないから」
未だ早朝、こんな時分から中庭に来る物好きなんて居ない。
精々俺くらいだ、馬岱は朝露に視線を向けた。
日が昇るに連れて乾き、跡形もなく消えてしまう儚い存在。
同時に、朝露を見た名無しさんの、緩んだ目元が脳裏に浮かぶ。
あんな可愛い顔、見せられたら堪んないよ。
馬岱は名無しさんの体に回した腕に少しだけ力を込めた。
「ね、名無しさん。もう少しだけで良いから。あの朝露が消えるまで、こうして君を感じさせて」
「馬岱様・・・」
すっかり馬岱に絆されてしまった名無しさんは、素直に彼に身を任せる。
二人だけの、永遠のような甘い一時 。
しかし、それは呆気なく、破られた。
「おぉい、馬岱!朝飯だぞ!」
従兄弟がここに来ている事を知っているのだろう、馬超が大声と共に現れる。
「馬岱!ここに・・・」
居たか、と続ける言葉を途中で切り、馬超は激しく慌てて言った。
「す、済まん!邪魔したな!」
馬岱はじろりと馬超を睨む。
「もう・・・若ってば。良い雰囲気だったのに」
「いや、本当に済まん!俺は行くから続けてくれ!」
と、言うなり、何処かへ走り去って行った。
馬岱はやれやれと溜め息を吐いて言う。
「全く、普段なら呼びになんて来ないのに。何でこんな時に来ちゃうかなあ?ねえ、名無しさん?」
そう言って視線を移して見る彼女は、馬超に抱き合っている所を見られた羞恥に、耳まで真っ赤に染め上げていた。
「大丈夫?」
「・・・大丈夫じゃありません」
ぽつりと呟いて、名無しさんは馬岱の胸に顔を埋める。
「もう、恥ずかしくて・・・隠れたい」
「じゃあ、こうしてても恥ずかしくない場所に移動しよっか」
「え・・・?」
不思議そうな声を上げる名無しさんの体を、馬岱は軽々と掬い上げた。
「君の部屋。あの「露玉」が消えるまで一緒に居るって言ってくれたよね」
その言葉に、名無しさんは馬岱の腕の中で首を傾げる。
絆されてはしまったが、言った覚えはない。
「言ってません・・・よね?」
「そうだっけ?でもまあ、どっちでも良いよね」
馬岱は飄々と言って退けると、名無しさんの部屋へと歩き出した。
「部屋に着いたら、また抱き合って。それから、名無しさんが眠るまで俺が傍に居るよ」
儚く消えて行く日々、少しでも君と一緒に居たいんだ。
そう言った馬岱に、名無しさんは何も言わなかった。
→あとがき
また無防備になって。
これじゃ襲ってくれって言ってるのと変わらない。
そう都合の良い解釈をした馬岱は、今度は名無しさんの唇に触れるだけの口付けを落とす。
「んっ・・・!?」
「今のは口直し。やっぱり、墨より名無しさんの方がずっと良いよね」
そりゃあそうだろう。
墨と比べられては堪らない。
言葉に出来ない代わりに、名無しさんは馬岱の胸を押した。
それよりも早く、馬岱の腕が彼女の体を抱き締める。
「駄目だよ、俺から離れるなんて」
「は、離して・・・こんな」
「こんな所で、かい?それなら大丈夫だよ。こんな時間に誰も通ったりしないから」
未だ早朝、こんな時分から中庭に来る物好きなんて居ない。
精々俺くらいだ、馬岱は朝露に視線を向けた。
日が昇るに連れて乾き、跡形もなく消えてしまう儚い存在。
同時に、朝露を見た名無しさんの、緩んだ目元が脳裏に浮かぶ。
あんな可愛い顔、見せられたら堪んないよ。
馬岱は名無しさんの体に回した腕に少しだけ力を込めた。
「ね、名無しさん。もう少しだけで良いから。あの朝露が消えるまで、こうして君を感じさせて」
「馬岱様・・・」
すっかり馬岱に絆されてしまった名無しさんは、素直に彼に身を任せる。
二人だけの、永遠のような甘い
しかし、それは呆気なく、破られた。
「おぉい、馬岱!朝飯だぞ!」
従兄弟がここに来ている事を知っているのだろう、馬超が大声と共に現れる。
「馬岱!ここに・・・」
居たか、と続ける言葉を途中で切り、馬超は激しく慌てて言った。
「す、済まん!邪魔したな!」
馬岱はじろりと馬超を睨む。
「もう・・・若ってば。良い雰囲気だったのに」
「いや、本当に済まん!俺は行くから続けてくれ!」
と、言うなり、何処かへ走り去って行った。
馬岱はやれやれと溜め息を吐いて言う。
「全く、普段なら呼びになんて来ないのに。何でこんな時に来ちゃうかなあ?ねえ、名無しさん?」
そう言って視線を移して見る彼女は、馬超に抱き合っている所を見られた羞恥に、耳まで真っ赤に染め上げていた。
「大丈夫?」
「・・・大丈夫じゃありません」
ぽつりと呟いて、名無しさんは馬岱の胸に顔を埋める。
「もう、恥ずかしくて・・・隠れたい」
「じゃあ、こうしてても恥ずかしくない場所に移動しよっか」
「え・・・?」
不思議そうな声を上げる名無しさんの体を、馬岱は軽々と掬い上げた。
「君の部屋。あの「露玉」が消えるまで一緒に居るって言ってくれたよね」
その言葉に、名無しさんは馬岱の腕の中で首を傾げる。
絆されてはしまったが、言った覚えはない。
「言ってません・・・よね?」
「そうだっけ?でもまあ、どっちでも良いよね」
馬岱は飄々と言って退けると、名無しさんの部屋へと歩き出した。
「部屋に着いたら、また抱き合って。それから、名無しさんが眠るまで俺が傍に居るよ」
儚く消えて行く日々、少しでも君と一緒に居たいんだ。
そう言った馬岱に、名無しさんは何も言わなかった。
→あとがき