愛の妙薬
貴女のお名前
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口直しか、どんなものだろう、と楽進は名無しさんに従って目を閉じた。
干した果物みたいな、甘いものだと嬉しいが、貴重品だ、易々と用意できるものではないだろう。
やがて、準備が終わったのか、名無しさんが楽進の胸元に手を添える。
「楽進様、少しだけお口を開けて下さい」
近い距離で優しく云われて、楽進は口を開けた。
その瞬間、柔らかい何かが唇に押し当てられる。
「んっ・・・」
と、甘い声が聞こえて、楽進は柔らかい何かは名無しさんの唇だと気付いた。
恐る恐る、目を開けて見ると、自分に口付ける名無しさんと視線が合い、離れる間際に甘いものを口の中に舌で押し込まれる。
「名無しさん・・・」
彼女の名を呟いた形のまま、ぽかんとする楽進に、名無しさんは頬を染め、微笑んで云った。
「驚きました?」
「それは・・・はい」
楽進は何が起きたのか、その全てを自覚すると、みるみる顔を赤く染める。
「甘いでしょう?」
それが口付けの事なのか、口の中に押し込まれた何かの事なのか分からなかったが、楽進は頷いていた。
「はい・・・」
暫く、呆けたような楽進だったが、落ち着いて来ると、口の中の甘さが気になる。
「名無しさん、あの、何ですか、これ」
その質問に、名無しさんは微笑むと、人差し指を自分の唇の前に立てて答えて云った。
「秘密です。私が楽進様だけに特別に調合した、
「愛の妙薬」
ですから。良く効いたでしょう?」
楽進は、
「はい・・・あ、いえ、すみません。未だ少し苦いのが・・・。名無しさん、恐縮ですが、もう一回頂けないですか?」
と、図々しくもねだったのだった。
その後、警戒を解いた子猫が名無しさんの足元に甘えて擦り寄って来たりもするのだが、それはまた、別のお話。
→あとがき
干した果物みたいな、甘いものだと嬉しいが、貴重品だ、易々と用意できるものではないだろう。
やがて、準備が終わったのか、名無しさんが楽進の胸元に手を添える。
「楽進様、少しだけお口を開けて下さい」
近い距離で優しく云われて、楽進は口を開けた。
その瞬間、柔らかい何かが唇に押し当てられる。
「んっ・・・」
と、甘い声が聞こえて、楽進は柔らかい何かは名無しさんの唇だと気付いた。
恐る恐る、目を開けて見ると、自分に口付ける名無しさんと視線が合い、離れる間際に甘いものを口の中に舌で押し込まれる。
「名無しさん・・・」
彼女の名を呟いた形のまま、ぽかんとする楽進に、名無しさんは頬を染め、微笑んで云った。
「驚きました?」
「それは・・・はい」
楽進は何が起きたのか、その全てを自覚すると、みるみる顔を赤く染める。
「甘いでしょう?」
それが口付けの事なのか、口の中に押し込まれた何かの事なのか分からなかったが、楽進は頷いていた。
「はい・・・」
暫く、呆けたような楽進だったが、落ち着いて来ると、口の中の甘さが気になる。
「名無しさん、あの、何ですか、これ」
その質問に、名無しさんは微笑むと、人差し指を自分の唇の前に立てて答えて云った。
「秘密です。私が楽進様だけに特別に調合した、
「愛の妙薬」
ですから。良く効いたでしょう?」
楽進は、
「はい・・・あ、いえ、すみません。未だ少し苦いのが・・・。名無しさん、恐縮ですが、もう一回頂けないですか?」
と、図々しくもねだったのだった。
その後、警戒を解いた子猫が名無しさんの足元に甘えて擦り寄って来たりもするのだが、それはまた、別のお話。
→あとがき