初めての口付け
貴女のお名前
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永遠にも思える一瞬の後、李典の顔が離れていく気配に、名無しさんはゆっくりと瞼を開いた。
「李典様・・・」
と、呟いた途端、体中から力が抜け、膝から崩れ落ちる。
「おっと、大丈夫か」
李典に支えられ、難を逃れるが、体が宙に浮いているようで力が入らない。
「すみません、何だか・・・」
「まあ良いって事よ」
李典は名無しさんの体を横向きに抱え上げ、気付かれないように、ちらりと寝室に目を遣った。
このまま寝台に直行!って訳にはいかないだろうな、多分。
取り敢えず、念願は果たしたのだ。
今日の所はそれで良しとしなけりゃ罰が当たるってもんだろ。
名無しさんを椅子に座らせた李典は、自分の椅子を引っ張って来ると、その隣に腰を落ち着けた。
「で、どうだ?」
と、感想を求めて尋ねる。
名無しさんは考えて、それから首を傾げた。
「どうと云われても・・・どう?」
「あー、っと名無しさん、俺の聞き方が悪かった。頼むからそんなに考え込まないでくれ、落ち込みそう」
名無しさんの目の前に掌を向けて李典は制止の声を上げる。
下手とか云われた日には死ぬ。
大体、上手いとか下手とか、そう云うのが聞きたい訳ではない。
「その、嫌じゃなかったか?」
「ええ・・・はい」
名無しさんはそう云って微笑んだ。
頬を染め、確かめるように胸に手を当てる。
「未だ、胸がどきどきしてます」
「なら、これからも時々は良い、よな?」
名無しさんが恥ずかしそうに、しかし、可憐な花のような笑顔で答えた。
「はい」
やったぜ!と、云わない代わりに、李典は名無しさんの頬に素早く口付けた。
それから暫くの間、
「李曼成、名無しさんの
「初めての口付け」を奪った男とは俺の事!」
魏軍では戦場で妙な口上を述べる李典が目撃されるようになり、ほんの少し、ほんの少しだが、敵方から憐れみに似た視線を向けられていた。
→あとがき
「李典様・・・」
と、呟いた途端、体中から力が抜け、膝から崩れ落ちる。
「おっと、大丈夫か」
李典に支えられ、難を逃れるが、体が宙に浮いているようで力が入らない。
「すみません、何だか・・・」
「まあ良いって事よ」
李典は名無しさんの体を横向きに抱え上げ、気付かれないように、ちらりと寝室に目を遣った。
このまま寝台に直行!って訳にはいかないだろうな、多分。
取り敢えず、念願は果たしたのだ。
今日の所はそれで良しとしなけりゃ罰が当たるってもんだろ。
名無しさんを椅子に座らせた李典は、自分の椅子を引っ張って来ると、その隣に腰を落ち着けた。
「で、どうだ?」
と、感想を求めて尋ねる。
名無しさんは考えて、それから首を傾げた。
「どうと云われても・・・どう?」
「あー、っと名無しさん、俺の聞き方が悪かった。頼むからそんなに考え込まないでくれ、落ち込みそう」
名無しさんの目の前に掌を向けて李典は制止の声を上げる。
下手とか云われた日には死ぬ。
大体、上手いとか下手とか、そう云うのが聞きたい訳ではない。
「その、嫌じゃなかったか?」
「ええ・・・はい」
名無しさんはそう云って微笑んだ。
頬を染め、確かめるように胸に手を当てる。
「未だ、胸がどきどきしてます」
「なら、これからも時々は良い、よな?」
名無しさんが恥ずかしそうに、しかし、可憐な花のような笑顔で答えた。
「はい」
やったぜ!と、云わない代わりに、李典は名無しさんの頬に素早く口付けた。
それから暫くの間、
「李曼成、名無しさんの
「初めての口付け」を奪った男とは俺の事!」
魏軍では戦場で妙な口上を述べる李典が目撃されるようになり、ほんの少し、ほんの少しだが、敵方から憐れみに似た視線を向けられていた。
→あとがき