2月14日土曜日。
連日の残業で疲れていた俺は。
久しぶりの休みを、寝て過ごすつもりでいた。
どうせ、起きて何かをしなければならない予定もない。
寝貯めしておかないと体が保たん。
少なくとも午前中一杯は・・・。
と、思っていたのに。
「三成さん！起きて！」
寝ている俺の体の上。
ボスッ・・・と、名無しさんが飛び乗った。
重い。
少し太ったか？
なんて事を考えていた俺。
「重い・・・」
そのまま口に出してしまった。
名無しさんを乗せたまま、俺は上体を起こす。
「名無しさん・・・太ってないか？」
「え？そう？」
どうやら名無しさんは自覚無し。
体をまさぐり、首を傾げる名無しさんに。
まぁ、名無しさんは少し太った方が良い。
大体、痩せ過ぎだ。
もう少し太って肉付きが良い方が抱いていて気持ち良いのだがな。
そう云った俺は。
「三成さんってそんな事考えてるんだ・・・」
名無しさんに白けた目を向けられる。
男は皆そんなもんだろう。
とは口に出さず。
「で？何なんだ朝っぱらから・・・」
俺は咳ばらいをして、話題を逸らした。
「うふふ・・・三成さんがお休みなの久しぶりだも～ん。構って構って！！」
と、名無しさんが可愛く俺に擦り寄る。
構う・・・抱けと云う事か？
・・・朝から大胆だな。
都合良く解釈した俺は名無しさんの腕を掴み、
―グイッ
力一杯引き寄せる。
「さて、構ってやろう」
名無しさんを組み敷いて、俺は寝間着を脱いでいく。
「えっ、ちょっ・・・違・・・」
「黙れ」
今から名無しさんが発する言葉は。
喘ぎ声だけで良い。
俺はそう云うと、名無しさんの唇を塞いだ。