閑話・壱

日曜日。
貴女が趙雲さんと二人っきりだなんて。
「許せる訳ないじゃないですか」



私は朝早くから・・・と云うかオープンと同時に。
ガラスのショーウィンドウに並ぶシュークリームやエクレア、ショートケーキを
(彼女は何が好きなんだろうか・・・?)
選んでいた。
彼女が好きなもの。それすらも知らないで。
だったら・・・
「すみません」
私の好きなものを。彼女に。
「ベイクドチーズケーキとレアチーズケーキを・・・」
ああ、そうだ。趙雲さんの分も用意しておかないと・・・彼女の受けが悪くなりそうですし。
「それぞれ二つずつ」
本当は私と貴女の分だけで良い・・・そう思いながら、私は財布を出した。
1/5ページ
スキ