それは一言から始まった。



いつもの様に机に向かって仕事をしていると
「この前、どうだったの?」
尚香さんが小声で話し掛けてきた。
「この前って?」
「お見合いよ。お見合い。あの写真の人としたんでしょ?」
ああ、アレね・・・。
「したのはしたんですけど・・・」
どう云ったら良いものか。
―結局、私は断ったんだけど。だってあまりにも私が劣る気がしたし。・・・でも三成さんは
「ならばお前が俺に相応しいと思う迄、俺は待つ」
って云って。
今の所、友達みたいな付き合いをしている。・・・一応、メアドも交換して。メール来た事無いけど―
「まぁ、してみただけって感じです」
「なぁんだ。つまんない」
いや、つまんないって云われても。
「結婚したら良いのに」






その尚香さんの一言に。
たまたま、全員揃っていた営業部の人が一斉に私を見た。
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