拾八

三成さんが海外出張に出て一ヶ月。
一月ぶりのデート。
待ち合わせた場所は駅。
雑踏の中、私より早く来ていて、私を待って佇む三成さんが、格好良くって。
久しぶりって云うのもあるんだろうけど。
遠目に見ても凄く凄く格好良い三成さん。
春の太陽の下で、三成さんの元々色の薄い髪色が綺麗に光る。
格好良い。
思わず、見惚れてしまった。
早く近付きたいのに。
足が思う様に進まない。
その視線に気が付いたのか、三成さんが私を見付けた。
髪と同じ、薄い色の瞳。
真っ直ぐに私を見ている。
心臓が口から飛び出るんじゃないかって位ドキドキして。
動けない私に、ゆっくりと三成さんが近付いて来た。
「・・・久しぶりだな」
にこりと微笑む訳でもなく、相変わらずの冷たい感じの云い方だったけど。
私は真っ赤になって頷いた。
「ひ、久しぶり・・・ですね」
声が上擦ってしまったかもしれない。
鞄を持つ手が緊張で震えている。
何て云えば良いのか分かんない。
間が保たない。
俯いてしまう。
けれど、何事もない様に、
「・・・行くか」
くるりと背中を向けて歩き出す三成さんの後ろを慌てて着いて行く私。
そうして気付く、三成さんの歩幅。
私に合わせてくれていた。
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