愛しうる限り愛せ
貴女のお名前
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例え、何があっても。
雨の日。
「凄い雨・・・」
名無しさんは幸村と出掛けていた。
傘をさした所で、たいした意味もない程の雨。足元はぐちょぐちょ。髪や着物まで濡れてしまっている。
「大丈夫ですか?名無しさん殿」
何度目になるだろうか。幸村が後ろを歩く名無しさんを心配して声を掛けた。
「大丈夫ですよ。幸村様」
聞かれる度に名無しさんは心配掛けまいと笑って答える。
それでも幸村はゆっくりと歩き、名無しさんを時々振り返りながら進んで行く。
次第に城門が見えてきた。
城まであと少し。
濡れた着物を脱ぎたい。お風呂に入りたい。冷えた体を温めたい・・・と、名無しさんは足を速めてしまう。
それが悪かったのだろう。
視界が悪い上に、足元は滑り易くなっている。
歩いていた場所も悪かった。城門に繋がる橋には青々と苔が繁殖していて・・・
―ズルッ
「――――っきゃ・・・」
名無しさんは足を滑らせてしまった。
そのまま、堀へと、落ちた。
「っつ・・・」
と、名無しさんの頭に痛みが走る。
幸村が慌てて名無しさんの名を呼び、手を伸ばす。
「幸・・村様・・・」
名無しさんは痛む頭を押さえ、薄れ行く意識の中で幸村を呼んだ。
雨の日。
「凄い雨・・・」
名無しさんは幸村と出掛けていた。
傘をさした所で、たいした意味もない程の雨。足元はぐちょぐちょ。髪や着物まで濡れてしまっている。
「大丈夫ですか?名無しさん殿」
何度目になるだろうか。幸村が後ろを歩く名無しさんを心配して声を掛けた。
「大丈夫ですよ。幸村様」
聞かれる度に名無しさんは心配掛けまいと笑って答える。
それでも幸村はゆっくりと歩き、名無しさんを時々振り返りながら進んで行く。
次第に城門が見えてきた。
城まであと少し。
濡れた着物を脱ぎたい。お風呂に入りたい。冷えた体を温めたい・・・と、名無しさんは足を速めてしまう。
それが悪かったのだろう。
視界が悪い上に、足元は滑り易くなっている。
歩いていた場所も悪かった。城門に繋がる橋には青々と苔が繁殖していて・・・
―ズルッ
「――――っきゃ・・・」
名無しさんは足を滑らせてしまった。
そのまま、堀へと、落ちた。
「っつ・・・」
と、名無しさんの頭に痛みが走る。
幸村が慌てて名無しさんの名を呼び、手を伸ばす。
「幸・・村様・・・」
名無しさんは痛む頭を押さえ、薄れ行く意識の中で幸村を呼んだ。