それはあまりにも・・・。




「光秀様の馬鹿――――――！！」
ペチンと光秀の頬を叩き、ダッと駆け出した名無しさん。
「名無しさんっ！待ちなさい！！」
と云いながらも光秀は名無しさんに叩かれたショックで動けなかった。
「突然、何なんですか・・・」
名無しさんの背中に手を伸ばしてみるが、名無しさんは既に遥か彼方・・・。




「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿・・光秀様の馬鹿馬鹿馬鹿」
名無しさんは一人、庭の池の辺でぶちぶちと悪態を吐いていた。
「馬鹿阿保間抜け馬鹿阿保間抜け・・・」
ボキャブラリーの少ない悪態を延々と続け・・・ そうとうお怒りなのか、
「謝ったって、絶っっ対！許さないんだから！！」
と、膨れていた。




そんな訳で・・・・
「名無しさん・・・光秀様の所に行かなくて良いんですか？」
「光秀様なんて知らないもん」
名無しさんは蘭丸にくっついていた。
「私はこれから蘭丸と一緒に居るんだから！」
一方的に宣言をする名無しさん。
しかし・・・
「本当ですか？##NAME1##・・・」
名無しさんの事を密に慕っていた蘭丸は名無しさんの言葉に目を輝かせる。