知りたいの。




身の回りに山のように積まれた本、本、本。
その中でただ黙々と頁をめくっていく。
目はずっと文字を追い、名無しさんはひたすら読み耽る。
「##NAME1##？」
と、兼続が名無しさんを捜している声がした。
が、集中している名無しさんの耳には届かない。
「名無しさん？」
部屋を一つ一つ確認していく。
そして・・・
「名無しさん？・・・##NAME1##っ！」
とある部屋で本の山に埋もれる名無しさんを見付け、声を掛けた。
「・・・・？兼続様？」
やっと自分を呼ぶ声に、名無しさんは顔を上げた。
「あれ？兼続様？」
恐らく兼続が居るであろう扉の方を見たが、座ったままでは本が邪魔で見えない。
「兼続様～！ここです！！」
そう云いながら腰を上げた。
瞬間。
―グラッ
腕か肘か当たったのか、ぐらつく本の山。当然、重力に従い・・・
「きゃあああ！！」
名無しさんの上に崩れ落ちた。
「##NAME1##！大丈夫か！？」
兼続は急いで名無しさんの元へ駆け寄り・・・たかったが、雪崩た本が邪魔で進めない。