戦国bsr読み切り短編集
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今日は夏至。一年で最も昼が長い日だ。
「少しでも長く、畑に出てえな」
昼の時間が長かったら何がしたい?という質問に対し、返ってきた答えがコレ。
問うた相手は、いわずもがな片倉小十郎景綱。
畑と野菜をこよなく愛する極悪やくz、じゃなかった、我らが殿・伊達政宗さまの右目その人である。
「……今、俺のことをやくざ、とか思わなかったか?」
「まさか!めっそうもないでございますのよ」
満面の笑みで振り向けば、おでこを指ではじかれた。
「いたっ!!」
「その笑みが、既にあやしいんだよ」
相変わらず眉間に皺が寄ってるけど、別に怒ってる顔じゃないことは長い付き合いで分かってる。
女ではありますが、わたくし伊達軍の一兵ですから。
しかも、片倉軍所属なんです。
「さっきから、誰としゃべってんだ?」
「あなたには見えない人とです」
片倉さまは奇妙なものを見る目でわたしを見たけど、いつものことと気にせず鍬を振りかざした(ちょっとひどいと思うのはわたしだけか)。
一昨日から降り続く雨がひと段落したので、わたしも畑の手伝いに来ている。
夏至というだけあって、酉の刻なのにまだ手元がはっきりと見える。
館にいる風水師いわく、明日も米沢周辺の空は安定しないらしい。
せっかく芽吹いた苗たちが流されたり水に浸かったりしないよう、しっかり畝を造らなければ!!
「お前が……だったら楽しいだろうな」
「はい?」
聞こえないとすぐに振り向くと、なぜか片倉さまはばつが悪そうな顔をしてそっぽを向いてしまった。
「なんです?」
「な、何でもねえ。それより、鼻の頭に土ついてるぞ」
くっくっと笑いながら指で土を取って下さった片倉さま。
さりげなくやって下さるこういう行為がどれだけ罪深いか、この方は分かってらっしゃるのかしら……。
「何ためいきついてんだ?」
「深呼吸です」
しらじらしいなと意地悪な笑みを浮かべた片倉さまだったけど、空模様を見て慌てて手を動かし始めた。
「ちっとばかし急ぐぜ。……いつも、手伝わせて悪いな」
ざくざくと畑を耕す音に交じって聞こえてきたねぎらいの言葉。
その言葉があるだけで、わたしは一生あなたの背中についていこうって気になるんですよ。
「だから、何にやにやしてんだ」
「何でもないですー」
夏至のせいでにやつく顔がばればれだったけど、そんなことは気にしない!
だって、しょうがないなって笑ってらっしゃるあなたの顔も、はっきり見えたから。
昼の時間が長いと、あなたの表情がはっきり見える。
それは、わたしにとって幸せな時間が長く続くということ。
「少しでも長く、畑に出てえな」
昼の時間が長かったら何がしたい?という質問に対し、返ってきた答えがコレ。
問うた相手は、いわずもがな片倉小十郎景綱。
畑と野菜をこよなく愛する極悪やくz、じゃなかった、我らが殿・伊達政宗さまの右目その人である。
「……今、俺のことをやくざ、とか思わなかったか?」
「まさか!めっそうもないでございますのよ」
満面の笑みで振り向けば、おでこを指ではじかれた。
「いたっ!!」
「その笑みが、既にあやしいんだよ」
相変わらず眉間に皺が寄ってるけど、別に怒ってる顔じゃないことは長い付き合いで分かってる。
女ではありますが、わたくし伊達軍の一兵ですから。
しかも、片倉軍所属なんです。
「さっきから、誰としゃべってんだ?」
「あなたには見えない人とです」
片倉さまは奇妙なものを見る目でわたしを見たけど、いつものことと気にせず鍬を振りかざした(ちょっとひどいと思うのはわたしだけか)。
一昨日から降り続く雨がひと段落したので、わたしも畑の手伝いに来ている。
夏至というだけあって、酉の刻なのにまだ手元がはっきりと見える。
館にいる風水師いわく、明日も米沢周辺の空は安定しないらしい。
せっかく芽吹いた苗たちが流されたり水に浸かったりしないよう、しっかり畝を造らなければ!!
「お前が……だったら楽しいだろうな」
「はい?」
聞こえないとすぐに振り向くと、なぜか片倉さまはばつが悪そうな顔をしてそっぽを向いてしまった。
「なんです?」
「な、何でもねえ。それより、鼻の頭に土ついてるぞ」
くっくっと笑いながら指で土を取って下さった片倉さま。
さりげなくやって下さるこういう行為がどれだけ罪深いか、この方は分かってらっしゃるのかしら……。
「何ためいきついてんだ?」
「深呼吸です」
しらじらしいなと意地悪な笑みを浮かべた片倉さまだったけど、空模様を見て慌てて手を動かし始めた。
「ちっとばかし急ぐぜ。……いつも、手伝わせて悪いな」
ざくざくと畑を耕す音に交じって聞こえてきたねぎらいの言葉。
その言葉があるだけで、わたしは一生あなたの背中についていこうって気になるんですよ。
「だから、何にやにやしてんだ」
「何でもないですー」
夏至のせいでにやつく顔がばればれだったけど、そんなことは気にしない!
だって、しょうがないなって笑ってらっしゃるあなたの顔も、はっきり見えたから。
昼の時間が長いと、あなたの表情がはっきり見える。
それは、わたしにとって幸せな時間が長く続くということ。