戦国bsr読み切り短編集
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今日は七夕らしい。
らしい、と言うのは、多忙にかまけ、1日の終わりになってそのことをようやく思い出したからだ。
「おとぎ話の人って、いつも思うけど気が長いわよね」
生憎の大雨の中、城のお勤めを終え長屋へ戻る道中こう思った。
一年に一回の逢瀬を楽しみに、長き年月を過ごせるのだから。
(私なんて、一週間でも耐えられないわ)
恋人である片倉小十郎と、かれこれ一週間会っていない。
同じ城内にいるのに、姿すら見ていない。
(彼は殿さまの右腕だし、政務室にこもってるからなんだろうけど……)
それにしても、あまりに会えないこの現実に、拗ねるを通り越してもはや諦めの境地だ。
(彼の一番は、殿さま。二番三番に御国で、私は四番か五番……)
武将と恋仲になるとはこういうことだと分かっているつもり。
けど、考えただけでため息が出てしまう。
「寂しい……」
本音と一緒に、涙が一粒落ちた。
足元に目線を落としていると、ふいにもう一つ足が視界に入った。
「何をため息ついてる」
着流し姿の彼が、いつの間にか目の前にいた。
「小、小十郎さん……!」
「橋の向こうで待ってたが、お前が渡る気配がなかったからな。迎えに来たぜ」
傘を上げれば、目の前には橋。
下を流れる川は、溢れんばかりになみなみと水量を保っているが、橋はびくともせずそこにある。
ここ最近の雨で墜ちた橋もあるのに。
「天の川のお話みたい……」
口をついて出た言葉に、小十郎さんは小さく笑った。
「そうだな。……となると、俺の………………ことだな」
「え?」
「な、何でもねえ」
生憎川の流れで何を言われたか分からなかった。
「何て言ったの?」
「言わねえ」
やや顔を赤らめて口を尖らす恋人に、しつこくしつこく聞き続けていると。
長屋へ入るなり抱きしめられ、耳元で囁かれた。
「俺の織姫はお前だ。けど、話みてえに離れる気はねえぜ。……愛してる」
らしい、と言うのは、多忙にかまけ、1日の終わりになってそのことをようやく思い出したからだ。
「おとぎ話の人って、いつも思うけど気が長いわよね」
生憎の大雨の中、城のお勤めを終え長屋へ戻る道中こう思った。
一年に一回の逢瀬を楽しみに、長き年月を過ごせるのだから。
(私なんて、一週間でも耐えられないわ)
恋人である片倉小十郎と、かれこれ一週間会っていない。
同じ城内にいるのに、姿すら見ていない。
(彼は殿さまの右腕だし、政務室にこもってるからなんだろうけど……)
それにしても、あまりに会えないこの現実に、拗ねるを通り越してもはや諦めの境地だ。
(彼の一番は、殿さま。二番三番に御国で、私は四番か五番……)
武将と恋仲になるとはこういうことだと分かっているつもり。
けど、考えただけでため息が出てしまう。
「寂しい……」
本音と一緒に、涙が一粒落ちた。
足元に目線を落としていると、ふいにもう一つ足が視界に入った。
「何をため息ついてる」
着流し姿の彼が、いつの間にか目の前にいた。
「小、小十郎さん……!」
「橋の向こうで待ってたが、お前が渡る気配がなかったからな。迎えに来たぜ」
傘を上げれば、目の前には橋。
下を流れる川は、溢れんばかりになみなみと水量を保っているが、橋はびくともせずそこにある。
ここ最近の雨で墜ちた橋もあるのに。
「天の川のお話みたい……」
口をついて出た言葉に、小十郎さんは小さく笑った。
「そうだな。……となると、俺の………………ことだな」
「え?」
「な、何でもねえ」
生憎川の流れで何を言われたか分からなかった。
「何て言ったの?」
「言わねえ」
やや顔を赤らめて口を尖らす恋人に、しつこくしつこく聞き続けていると。
長屋へ入るなり抱きしめられ、耳元で囁かれた。
「俺の織姫はお前だ。けど、話みてえに離れる気はねえぜ。……愛してる」