戦国bsr読み切り短編集
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
我が家は今時珍しく、正月になると親戚筋が一同に会する日がある。
小さかったわたしは“お年玉をもらえる会”という認識しかなく、もらえるものをもらった後はただ暇なだけだった。
そんな時、必ず相手をしてくれたのが家康のお兄ちゃんだった。
「大きくなったな」
「うわっ」
いつもと同じように、いきなり後ろから頭を掴まれ、無理矢理後ろを向かされる。
振り向いた先には、いつもと変わらぬ太陽の笑顔。
家康のお兄ちゃんは、親戚の中で唯一わたしの年齢に近い人。って言っても、わたしより十近く上なんだけど。
「大きくもなるよ。もう高校生だもん」
いつまでもな子供扱いに口を尖らすと、お兄ちゃんは本気で驚いたらしい。
「そうか、もうそんな年になったか」
からから笑い、力任せにぐりぐりと頭を撫でられた。
おかげで、せっかくの振袖に合わせて決めてきた髪型が崩れてしまった。
「あ~、髪型が~……」
「ああ、済まん!」
掴む前に気付けよ、つか乙女の頭を掴むなよと睨めば、何故か縁側に手招きされ椅子に座らされた。
「ワシが直してやろう」
手鏡を渡され、有無を言わさず髪をばらされた。
「あっ、ちょ!?」
「元に戻すのは無理だ。だから、別の髪型で勘弁しろよ?」
突然、長い指が耳の後ろに当たる。びくっと体を震わせたが、お兄ちゃんは気にせずアレンジし始めた。
そして、二十分くらい過ぎた頃。
「……な」
「な?何だ、言いたいことがあれば言ってみろ」
手鏡に映る姿は別人で、正直さっきの髪型よりこっちの方が似合ってるし好きかもしれない。
でも、素直にそれを言うのが嫌で。
「……何か、微妙」
期待を込めた視線ががくっと手鏡から消え、思わず笑った。
「いい出来だと思ったんだがな」
「素人が何を言う」
「そうだな」
またからから笑うと、手を伸ばしてきた。
「じいさんたちの話は長い。甘味でも食いに行こう」
ああ、太陽に囚われた心は、また太陽に憧れを抱かざるを得ない。
小さかったわたしは“お年玉をもらえる会”という認識しかなく、もらえるものをもらった後はただ暇なだけだった。
そんな時、必ず相手をしてくれたのが家康のお兄ちゃんだった。
「大きくなったな」
「うわっ」
いつもと同じように、いきなり後ろから頭を掴まれ、無理矢理後ろを向かされる。
振り向いた先には、いつもと変わらぬ太陽の笑顔。
家康のお兄ちゃんは、親戚の中で唯一わたしの年齢に近い人。って言っても、わたしより十近く上なんだけど。
「大きくもなるよ。もう高校生だもん」
いつまでもな子供扱いに口を尖らすと、お兄ちゃんは本気で驚いたらしい。
「そうか、もうそんな年になったか」
からから笑い、力任せにぐりぐりと頭を撫でられた。
おかげで、せっかくの振袖に合わせて決めてきた髪型が崩れてしまった。
「あ~、髪型が~……」
「ああ、済まん!」
掴む前に気付けよ、つか乙女の頭を掴むなよと睨めば、何故か縁側に手招きされ椅子に座らされた。
「ワシが直してやろう」
手鏡を渡され、有無を言わさず髪をばらされた。
「あっ、ちょ!?」
「元に戻すのは無理だ。だから、別の髪型で勘弁しろよ?」
突然、長い指が耳の後ろに当たる。びくっと体を震わせたが、お兄ちゃんは気にせずアレンジし始めた。
そして、二十分くらい過ぎた頃。
「……な」
「な?何だ、言いたいことがあれば言ってみろ」
手鏡に映る姿は別人で、正直さっきの髪型よりこっちの方が似合ってるし好きかもしれない。
でも、素直にそれを言うのが嫌で。
「……何か、微妙」
期待を込めた視線ががくっと手鏡から消え、思わず笑った。
「いい出来だと思ったんだがな」
「素人が何を言う」
「そうだな」
またからから笑うと、手を伸ばしてきた。
「じいさんたちの話は長い。甘味でも食いに行こう」
ああ、太陽に囚われた心は、また太陽に憧れを抱かざるを得ない。