戦国bsr読み切り短編集
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今日は、ポッキー・プリッツの日らしい。普段は食べないポッキーをボリボリ口にくわえて食べていると、
「……てめえ」
小十郎の声がワントーン低くなった。
「食いものを、口にくわえんじゃねえ」
小十郎の怒りの矛先、それはヒロイン名前の食べる姿勢である。
「そんなこと言ってもさ」
譲歩して口にくわえていたものをポキンと折る。彼女が口にくわえていたのはポッキーで、ポッキーを食べるには口にくわえなければいけない。
「この格好しちゃいけないってことは、ポッキー食べちゃだめってことじゃーん」
「じゃーん、じゃねえ。俺が言っているのは、ポッキーを食う姿勢のことだ。指で持たずにくわえて食うなんざ、どう考えても行儀悪いだろうが。そいつにゃ指で持つとこがあるのに、何で持たずに食うんだ」
「んー、気分?」
ぴき、という音が聞こえた気がしたが気にしないことにしてボリボリ続きを堪能していると、
「ボリボリ音を立てて食うんじゃねえ。行儀悪い、床にカスが落ちる!」
ついに声を荒げてきた。
「ぶー、仕事後のお楽しみを奪わないでよー」
「……それ以上ふざけてると、以降お前を犬と見なすぞ」
前髪がひと房落ちる。不機嫌マックスの証拠だ。へそを長期に曲げられると面倒なので、居住まいを直してちゃんと指で持って可愛くポリポリ食べてみるが、小十郎の機嫌は直るどころかますます悪くなっていくのが分かった。
「……分かったよ、ポッキー食べるの止めたらいいんでしょ」
「食うの止めろなんざあ、誰も言ってねえ」
「だって、小十郎不機嫌じゃん!小十郎の不機嫌を直すには、元になったものをなくすのが一番早いし」
唇を尖らせポッキーの箱を閉じる。
すると。
「行儀よく食うならいいんだ」
箱をなかば奪い取ると、袋から一本取り出す。
「ん」
「ん、って……」
明らかにヒロイン名前に差し出されている。
「これじゃ、くわえることになるよ?」
「俺が持っててやる」
「食べにくい。自分で持つ」
「しょうがねえな」
何故かニッと笑う小十郎。スイッチが入ったことを悟ったが、時すでに遅し。
後頭部を掴まれたかと思うと、口に無理やりポッキーを突っ込まれた。
「むひゃっ!?」
「ほら、食えよ。持っててやるから」
噛んでもいないのに無理やり口の中に進んでくるポッキー。
苦しくなる前になんとかせねばと慌ててかじると、いつもの甘い味が口いっぱいに広がった。
「やっぱり、かじるとカスが落ちるな」
ヒロイン名前が苦しそうなのをよそに、小十郎は一人ごちる。
そして、次の瞬間。
「んん!?」
先ほどと同じく彼女の口にポッキーをくわえさせると、反対側を指で持たずに自身の口でくわえたのだ。
その後の展開は火を見るより明らか。
「んっ、んんー!?」
慌てて折ろうと顎を引こうとするも、後頭部を押さえられていて動くことが出来ない。
やがてポッキーがなくなると、小十郎の唇がヒロイン名前の唇をくわえてきた。
「んぅっ…!」
リップ音を派手に立て、小十郎はヒロイン名前をむさぼり続ける。
「はっ……」
ようやく離れると、唇の間に銀の糸が垂れ下がった。
「甘ったるい菓子なんざうまくも何ともねえと思ったが、悪くねえな」
意地の悪い笑みが口元に浮かぶ。
「小十郎、こうしたかっただけでしょ」
「そっくりそのまま返してやる。ポッキーの日にかこつけて甘えたかっただけだろうに」
「うっ」
痛いところを突かれたが、小十郎は苦笑して抱き寄せてくれた。
「んなもんなくても、俺はいつでもお前を甘やかしてやるよ。最も、いつもと違うプレイを望んでるってなら、ポッキーみてえな小道具用いるのも構わねえけどな」
「小道っ……!?」
赤面して固まると、ちょうど耳元に位置する小十郎の喉が意地悪そうに笑っているのが聞こえた。
悔しいので、分厚い胸板に顔をこすりつけ、このまま思い切り甘えることにした。
そんな、11月11日。
(了)
「……てめえ」
小十郎の声がワントーン低くなった。
「食いものを、口にくわえんじゃねえ」
小十郎の怒りの矛先、それはヒロイン名前の食べる姿勢である。
「そんなこと言ってもさ」
譲歩して口にくわえていたものをポキンと折る。彼女が口にくわえていたのはポッキーで、ポッキーを食べるには口にくわえなければいけない。
「この格好しちゃいけないってことは、ポッキー食べちゃだめってことじゃーん」
「じゃーん、じゃねえ。俺が言っているのは、ポッキーを食う姿勢のことだ。指で持たずにくわえて食うなんざ、どう考えても行儀悪いだろうが。そいつにゃ指で持つとこがあるのに、何で持たずに食うんだ」
「んー、気分?」
ぴき、という音が聞こえた気がしたが気にしないことにしてボリボリ続きを堪能していると、
「ボリボリ音を立てて食うんじゃねえ。行儀悪い、床にカスが落ちる!」
ついに声を荒げてきた。
「ぶー、仕事後のお楽しみを奪わないでよー」
「……それ以上ふざけてると、以降お前を犬と見なすぞ」
前髪がひと房落ちる。不機嫌マックスの証拠だ。へそを長期に曲げられると面倒なので、居住まいを直してちゃんと指で持って可愛くポリポリ食べてみるが、小十郎の機嫌は直るどころかますます悪くなっていくのが分かった。
「……分かったよ、ポッキー食べるの止めたらいいんでしょ」
「食うの止めろなんざあ、誰も言ってねえ」
「だって、小十郎不機嫌じゃん!小十郎の不機嫌を直すには、元になったものをなくすのが一番早いし」
唇を尖らせポッキーの箱を閉じる。
すると。
「行儀よく食うならいいんだ」
箱をなかば奪い取ると、袋から一本取り出す。
「ん」
「ん、って……」
明らかにヒロイン名前に差し出されている。
「これじゃ、くわえることになるよ?」
「俺が持っててやる」
「食べにくい。自分で持つ」
「しょうがねえな」
何故かニッと笑う小十郎。スイッチが入ったことを悟ったが、時すでに遅し。
後頭部を掴まれたかと思うと、口に無理やりポッキーを突っ込まれた。
「むひゃっ!?」
「ほら、食えよ。持っててやるから」
噛んでもいないのに無理やり口の中に進んでくるポッキー。
苦しくなる前になんとかせねばと慌ててかじると、いつもの甘い味が口いっぱいに広がった。
「やっぱり、かじるとカスが落ちるな」
ヒロイン名前が苦しそうなのをよそに、小十郎は一人ごちる。
そして、次の瞬間。
「んん!?」
先ほどと同じく彼女の口にポッキーをくわえさせると、反対側を指で持たずに自身の口でくわえたのだ。
その後の展開は火を見るより明らか。
「んっ、んんー!?」
慌てて折ろうと顎を引こうとするも、後頭部を押さえられていて動くことが出来ない。
やがてポッキーがなくなると、小十郎の唇がヒロイン名前の唇をくわえてきた。
「んぅっ…!」
リップ音を派手に立て、小十郎はヒロイン名前をむさぼり続ける。
「はっ……」
ようやく離れると、唇の間に銀の糸が垂れ下がった。
「甘ったるい菓子なんざうまくも何ともねえと思ったが、悪くねえな」
意地の悪い笑みが口元に浮かぶ。
「小十郎、こうしたかっただけでしょ」
「そっくりそのまま返してやる。ポッキーの日にかこつけて甘えたかっただけだろうに」
「うっ」
痛いところを突かれたが、小十郎は苦笑して抱き寄せてくれた。
「んなもんなくても、俺はいつでもお前を甘やかしてやるよ。最も、いつもと違うプレイを望んでるってなら、ポッキーみてえな小道具用いるのも構わねえけどな」
「小道っ……!?」
赤面して固まると、ちょうど耳元に位置する小十郎の喉が意地悪そうに笑っているのが聞こえた。
悔しいので、分厚い胸板に顔をこすりつけ、このまま思い切り甘えることにした。
そんな、11月11日。
(了)