ハロウィーン・アフター
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<徳川編>
パーティーを行った週の土曜日、ヒロイン名前は家康のリクエストでショッピングをすることにした。
家康は、どうやらこの間のハロウィンパーティーの時に言っていたことを実行する気のようだ。すなわち、ヒロイン名前が選んでいる途中過程を見たいと言っていた、アレだ。
「さあ、ついたぞ」
近所で最も大きなテナントモールにつくと、家康は好きにまわるといいと言ってくれた。
「じゃあ、新居に持っていく家具が見たいな」
二人は現在婚約中。3月にある家康の転勤を待って新居に引っ越すつもりで、不動産は既に押さえている。
「それはいいな。ワシが家具を殆ど持っていないからな。で、何を見るんだ?」
「まずは家電置き場と食器棚が欲しいから、それが見たい!」
こうして、二人はテナント内にある家具店へとやってきた。
ヒロイン名前の要望通り真っ先に食器棚コーナーにたどり着くと、家康は困惑した表情を浮かべた。
「食器棚と言っても、サイズや色がたくさんあるんだな」
「そうだね。でも、新居に入るサイズはどっちも90センチくらいだから、それを基準に見ていこうよ。あと、出来たら両方とも同じメーカーで揃えたいな」
「分かった。しかし、家電を置くのに90センチは大きくないか?」
家康が、60センチサイズのものを見て頷く。
「今あるものだけならね。新居に移ったら、ホームベーカリーやプロセッサーを買おうと思ってるの。キッチン前の対面カウンターには、なるべく家電を置きたくないし」
「成る程な。それなら大きい方がいいな」
ヒロイン名前の説明を聞き、納得したらしい。家康は90センチサイズのものに目を向けた。
「色は薄い黄色がいいな。家康の好きな色だし」
思わず家康の手が止まる。
「無理にワシに合わすことはないんだぞ? 扉色が黄色というのは少ないようだしな。だが、選ぶ基準にワシを入れてくれて嬉しい」
「二人で使うんだから、二人で気に入ったものにしたいもの」
「そうだな。……お、これはどうだ?」
黄色と言うよりはベージュに近い色だが、引っ越し先のクロスの色とは相性が良さそうだ。
「あ、いいね。素材も……、しっかりしてる」
「素材か。そこは見ていなかったな」
値段や収納にばかり目がいっていたので、家康にとっては目から鱗だった。
「てっきり、どれも同じだと思っていたな」
「素材って重要よ。今使ってる家電置き場、デザインだけで選んじゃったせいであんまり素材とか気にしてなかったの。でね、使ってみて初めて分かったんだけど、蒸気対応がいまいちな品だったから炊飯器とか使うたびに水滴の手入れをしなきゃいけなくて……」
「それは面倒だな」
ヒロイン名前が深々と頷く。
「だから、例えば家電置き場だったらちゃんと蒸気処理がされてるものを選ぶとか、今回は素材に注意して選びたいなと思って」
「そうか。やはり、お前と見に来て正解だ。ワシ一人では、何を基準に選んだらいいか分からないからな」
そう言うと、家康は家電置き場を念入りに調べ始めた。
「値段もサイズもいいと思ったが、これはあまり好ましくないな」
「あ、ホントだ。……こっちのメーカー、口コミでよく見かけるんだけど、蒸気を電気で吸い出してくれるのね。でも、そこまでの機能はいらないかなぁ」
「仕事をしているからな。炊飯器やポットをそこまで使うだろうか」
「うーん、頻度としてはレンジより低いかも。ご飯はまとめて炊いちゃうし、ポットも魔法瓶機能を備えたのを買ったから再沸騰させることって殆どないし」
「なら、拭きやすさを重視した方がよさそうだな」
「そうね。……もうちょっと見てもいい?」
「気が済むまで見たらいいさ」
ヒロイン名前は本当に気が済むまで店内をあちこちまわり、気付いたら時刻は夕方を過ぎていた。
「こんな時間まで連れ回してごめんね」
「大丈夫だ。お前の選ぶ時の基準がだんだん分かってきたからな。やはり、一緒に買い物をするのはいいな。……ところで、今度はワシの行きたいところに付き合って欲しいんだが」
「いいよ、行こう」
そう言うと、何故か家康はほっとした。
家康がほっとしたのも当然かもしれない、彼が立ち寄ったのはジュエリー店だったからだ。
「宝石……、まさか指輪!?」
家康は、満面の笑みで頷いた。
「式を挙げないんだ、せめて指輪くらいいいものをつけたいじゃないか」
まさか今日指輪を選ぶことになるとは思わなかったので、ヒロイン名前は内心慌ててしまった。
「大丈夫だ、今日は下見だ」
頭をポンと撫で、店頭に並ぶ指輪に見入る。
(あたし、本当に家康と結婚するんだ……)
指輪を買おうという家康の提案で胸がいっぱいになり、しっかり見れなかったのは言うまでもない。
(了)
パーティーを行った週の土曜日、ヒロイン名前は家康のリクエストでショッピングをすることにした。
家康は、どうやらこの間のハロウィンパーティーの時に言っていたことを実行する気のようだ。すなわち、ヒロイン名前が選んでいる途中過程を見たいと言っていた、アレだ。
「さあ、ついたぞ」
近所で最も大きなテナントモールにつくと、家康は好きにまわるといいと言ってくれた。
「じゃあ、新居に持っていく家具が見たいな」
二人は現在婚約中。3月にある家康の転勤を待って新居に引っ越すつもりで、不動産は既に押さえている。
「それはいいな。ワシが家具を殆ど持っていないからな。で、何を見るんだ?」
「まずは家電置き場と食器棚が欲しいから、それが見たい!」
こうして、二人はテナント内にある家具店へとやってきた。
ヒロイン名前の要望通り真っ先に食器棚コーナーにたどり着くと、家康は困惑した表情を浮かべた。
「食器棚と言っても、サイズや色がたくさんあるんだな」
「そうだね。でも、新居に入るサイズはどっちも90センチくらいだから、それを基準に見ていこうよ。あと、出来たら両方とも同じメーカーで揃えたいな」
「分かった。しかし、家電を置くのに90センチは大きくないか?」
家康が、60センチサイズのものを見て頷く。
「今あるものだけならね。新居に移ったら、ホームベーカリーやプロセッサーを買おうと思ってるの。キッチン前の対面カウンターには、なるべく家電を置きたくないし」
「成る程な。それなら大きい方がいいな」
ヒロイン名前の説明を聞き、納得したらしい。家康は90センチサイズのものに目を向けた。
「色は薄い黄色がいいな。家康の好きな色だし」
思わず家康の手が止まる。
「無理にワシに合わすことはないんだぞ? 扉色が黄色というのは少ないようだしな。だが、選ぶ基準にワシを入れてくれて嬉しい」
「二人で使うんだから、二人で気に入ったものにしたいもの」
「そうだな。……お、これはどうだ?」
黄色と言うよりはベージュに近い色だが、引っ越し先のクロスの色とは相性が良さそうだ。
「あ、いいね。素材も……、しっかりしてる」
「素材か。そこは見ていなかったな」
値段や収納にばかり目がいっていたので、家康にとっては目から鱗だった。
「てっきり、どれも同じだと思っていたな」
「素材って重要よ。今使ってる家電置き場、デザインだけで選んじゃったせいであんまり素材とか気にしてなかったの。でね、使ってみて初めて分かったんだけど、蒸気対応がいまいちな品だったから炊飯器とか使うたびに水滴の手入れをしなきゃいけなくて……」
「それは面倒だな」
ヒロイン名前が深々と頷く。
「だから、例えば家電置き場だったらちゃんと蒸気処理がされてるものを選ぶとか、今回は素材に注意して選びたいなと思って」
「そうか。やはり、お前と見に来て正解だ。ワシ一人では、何を基準に選んだらいいか分からないからな」
そう言うと、家康は家電置き場を念入りに調べ始めた。
「値段もサイズもいいと思ったが、これはあまり好ましくないな」
「あ、ホントだ。……こっちのメーカー、口コミでよく見かけるんだけど、蒸気を電気で吸い出してくれるのね。でも、そこまでの機能はいらないかなぁ」
「仕事をしているからな。炊飯器やポットをそこまで使うだろうか」
「うーん、頻度としてはレンジより低いかも。ご飯はまとめて炊いちゃうし、ポットも魔法瓶機能を備えたのを買ったから再沸騰させることって殆どないし」
「なら、拭きやすさを重視した方がよさそうだな」
「そうね。……もうちょっと見てもいい?」
「気が済むまで見たらいいさ」
ヒロイン名前は本当に気が済むまで店内をあちこちまわり、気付いたら時刻は夕方を過ぎていた。
「こんな時間まで連れ回してごめんね」
「大丈夫だ。お前の選ぶ時の基準がだんだん分かってきたからな。やはり、一緒に買い物をするのはいいな。……ところで、今度はワシの行きたいところに付き合って欲しいんだが」
「いいよ、行こう」
そう言うと、何故か家康はほっとした。
家康がほっとしたのも当然かもしれない、彼が立ち寄ったのはジュエリー店だったからだ。
「宝石……、まさか指輪!?」
家康は、満面の笑みで頷いた。
「式を挙げないんだ、せめて指輪くらいいいものをつけたいじゃないか」
まさか今日指輪を選ぶことになるとは思わなかったので、ヒロイン名前は内心慌ててしまった。
「大丈夫だ、今日は下見だ」
頭をポンと撫で、店頭に並ぶ指輪に見入る。
(あたし、本当に家康と結婚するんだ……)
指輪を買おうという家康の提案で胸がいっぱいになり、しっかり見れなかったのは言うまでもない。
(了)