キミは戦えるか
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勇がボーダーお預かりと決まって数日後、勇は医師から全快の太鼓判を押された。その回復力は医師も目を見張るもので、迅はこれもトリオンの自動回復と何か関係があるのだろうかと思った。
「迅くん、私、ここで何をすればいいの?」
勇を連れてやって来たのは、本部内の訓練室だ。
「さっき、トリオン量計っただろ? 次は、そのトリオンを使ってトリガーを使うための訓練をしよう」
迅は、訓練用のトリガーを勇に放ってみせた。
勇のトリオン量は、あの雨取千佳に匹敵する数値を計測した。しかも、サイドエフェクトのおかげで無尽蔵にトリオンを使うことが出来る。
はっきり言って反則技だとは思うが、勇にとってはそのせいでネイバーに付け狙われ、拉致され、皮肉にもそのおかげで拉致先で生かされたのだから何とも言えない気分だろう。
「本当は、もうトリオンとかそういったことに関わるの、嫌なんだろうけどさ」
勇は、思ったことが顔に出やすいタチらしい。トリガーを受け取った後の眉間の皺の深さが、勇の気持ちを代弁していた。
「ただ、申し訳ないことを言うんだけど、君がここに戻ってきたことで三門市でいずれ大きな戦争が起こる。だから、君には自分を守る方法を身につけてもらわないといけない」
『自分のせいで戦争が起きる』と暗に言われたにも関わらず、勇は不愉快そうな顔をしなかった。
分かっているからだ。
だから、城戸と対面した際、彼女はいの一番に地球から出ていくことを申し出た。だが、迅の予知ではそれではもう時すでに遅しとの言を受け、トリガーの扱いを身につけるよう言われた際も、拒否はしなかった。
「トリガー、使ったことある?」
「フロー産のものなら」
意外な回答だった。てっきり、トリオンを搾取されるだけの生活を送っていたと思ったからだ。
「なら、慣れるのも早いんじゃないかな」
簡単な使い方をレクチャーを受け、勇は早速トリガーを起動させた。
彼女にトリガーを使わせろと言ったのは、実は鬼怒田であった。身を守らせるためでもあるのだが、実は大きな思惑があった。
「適合者不在のブラックトリガー。相馬健吾だったアレを、身内であるあの捕虜なら使えるのではないか」
ブラックトリガーは、親和性の高いトリガーではない。人間だった頃の本人の性質などがそのまま反映された形でトリガーになったのだから、致し方ないのかもしれない。
(鬼怒田さんが勇ちゃんを追い出すことに消極的だったのも、ブラックトリガーのことが頭に合ったからなんだろうな)
妹ならばあるいは、というのが鬼怒田の、そして城戸たち上層部の目論見であろう。
分からなくはない。宝の持ち腐れとなっているブラックトリガーが起動できるようになれば今後の遠征活動の幅も広がるし、今回のようにトップチームがこぞって遠征に行っている間の三門防衛方法の前提が大きく変わってくる。
誤解されがちだが、上層部はボーダー隊員たちを戦いに向かわせたい訳ではない。むしろ、その逆だ。
守ってやるべき“子供”に街の防衛を任せている以上、彼らの命の危険度が下がる手段があるのならすべて試す。その前提があるからこそ、今回の大規模遠征も現実化したのだから。
(とは言え、二度とネイバーに関わりたくないって人間を無理やり使うのはどうなんだろうな)
拉致された先でトリガーを使っていただけあり、勇はミデン製トリガーを難なく使いこなしていた。
「じゃあ、今度は仮想戦闘してみようよ」
そう言って、訓練場にバムスターが現れた。
勇のトリオン量なら、どんなに攻撃が下手でも当てられれば倒せるはずだ。
だが、
「っ!」
勇は、何故かその場に立ちすくんでいた。
「迅くん、私、ここで何をすればいいの?」
勇を連れてやって来たのは、本部内の訓練室だ。
「さっき、トリオン量計っただろ? 次は、そのトリオンを使ってトリガーを使うための訓練をしよう」
迅は、訓練用のトリガーを勇に放ってみせた。
勇のトリオン量は、あの雨取千佳に匹敵する数値を計測した。しかも、サイドエフェクトのおかげで無尽蔵にトリオンを使うことが出来る。
はっきり言って反則技だとは思うが、勇にとってはそのせいでネイバーに付け狙われ、拉致され、皮肉にもそのおかげで拉致先で生かされたのだから何とも言えない気分だろう。
「本当は、もうトリオンとかそういったことに関わるの、嫌なんだろうけどさ」
勇は、思ったことが顔に出やすいタチらしい。トリガーを受け取った後の眉間の皺の深さが、勇の気持ちを代弁していた。
「ただ、申し訳ないことを言うんだけど、君がここに戻ってきたことで三門市でいずれ大きな戦争が起こる。だから、君には自分を守る方法を身につけてもらわないといけない」
『自分のせいで戦争が起きる』と暗に言われたにも関わらず、勇は不愉快そうな顔をしなかった。
分かっているからだ。
だから、城戸と対面した際、彼女はいの一番に地球から出ていくことを申し出た。だが、迅の予知ではそれではもう時すでに遅しとの言を受け、トリガーの扱いを身につけるよう言われた際も、拒否はしなかった。
「トリガー、使ったことある?」
「フロー産のものなら」
意外な回答だった。てっきり、トリオンを搾取されるだけの生活を送っていたと思ったからだ。
「なら、慣れるのも早いんじゃないかな」
簡単な使い方をレクチャーを受け、勇は早速トリガーを起動させた。
彼女にトリガーを使わせろと言ったのは、実は鬼怒田であった。身を守らせるためでもあるのだが、実は大きな思惑があった。
「適合者不在のブラックトリガー。相馬健吾だったアレを、身内であるあの捕虜なら使えるのではないか」
ブラックトリガーは、親和性の高いトリガーではない。人間だった頃の本人の性質などがそのまま反映された形でトリガーになったのだから、致し方ないのかもしれない。
(鬼怒田さんが勇ちゃんを追い出すことに消極的だったのも、ブラックトリガーのことが頭に合ったからなんだろうな)
妹ならばあるいは、というのが鬼怒田の、そして城戸たち上層部の目論見であろう。
分からなくはない。宝の持ち腐れとなっているブラックトリガーが起動できるようになれば今後の遠征活動の幅も広がるし、今回のようにトップチームがこぞって遠征に行っている間の三門防衛方法の前提が大きく変わってくる。
誤解されがちだが、上層部はボーダー隊員たちを戦いに向かわせたい訳ではない。むしろ、その逆だ。
守ってやるべき“子供”に街の防衛を任せている以上、彼らの命の危険度が下がる手段があるのならすべて試す。その前提があるからこそ、今回の大規模遠征も現実化したのだから。
(とは言え、二度とネイバーに関わりたくないって人間を無理やり使うのはどうなんだろうな)
拉致された先でトリガーを使っていただけあり、勇はミデン製トリガーを難なく使いこなしていた。
「じゃあ、今度は仮想戦闘してみようよ」
そう言って、訓練場にバムスターが現れた。
勇のトリオン量なら、どんなに攻撃が下手でも当てられれば倒せるはずだ。
だが、
「っ!」
勇は、何故かその場に立ちすくんでいた。