キミとの再会
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次に目が覚めた時、相馬勇の目の前には見知らぬ天井が広がっていた。
「こ、こは……」
「気が付いた?」
声のする方に目を向けると、見知らぬ青年が座っていた。
「ここは、ボーダー。界境防衛組織って組織の医務室だよ。君がとある場所で倒れてたから、ここに連れて来た」
「あ、ありがとうございます、えっと……」
「おれ、迅悠一」
「相馬勇、です」
「相馬……」
聞き覚えのある苗字に、迅は記憶をさかのぼった。
(まさか)
ひとつ気になることが浮かんだが、タイミング悪く上着のポケットに入れていたスマホが鳴った。
「おっと……。相馬さん、悪いんだけど用事が出来たので行くね」
そう言うと、迅は部屋を出た。
「迅、あの者をお前どう見る」
作戦指令室に呼び出されるや、城戸司令に問われた。
「うーん、ただの一般人ではないと思いますが、ネイバーじゃないとも言い切れないってとこかな。ただ、危険な未来は今のところ視えていないから、そこまで警戒する必要もないかな」
「随分とお気楽だな。そう見えていて実は、なんてこともあり得る」
「とにかく、得体の知れない存在をこの基地に置いておくことに私は反対だね」
開発室長・鬼怒田とメディア対策室長・根付が次々と不安を口にする。
「とは言え、あの者をどこか別の場所に動かすわけにもいくまい。ここ以上に監視、管理、尋問に適した場所はない」
本部長・忍田が言った。
「迅、あの者が起き上がれそうだったら尋問室へ連れてきてくれ。本人に聞くのが一番早い」
「了解」
指令室を退出すると、向こうから見知った顔がやってくるのが見えた。
「お、生駒っち、弓場ちゃん、それに柿崎に嵐山、おはよう」
「迅やん。呼び出されとったんかいな、どないしてん」
ボーダー所属の生駒隊隊長の生駒が軽く手を振ってきた。
「ちょっとね」
「相変わらず忙しいな」
「もう済んだのか?」
柿崎隊隊長の柿崎、嵐山隊隊長の嵐山が迅をねぎらった。
「ああ。皆こそ、このあとの隊長会議で?」
「そうだ。お前ェも出る段取りになってなかったか、迅」
弓場隊隊長の弓場が相変わらず凄みのある口調で言った。
「別の用事が出来てね。そっちを優先しろってさ」
「モテモテやな」
「生駒っちほどじゃないよ」
カラカラと笑った。
彼らは、迅と同い年である。ボーダーには様々な年齢の者が所属しているが、自分と同い年の男子は今のところこの4人なので、迅にとっては気を遣わなくていい相手でもあった。
4人と別れ、相馬勇と名乗った女性がいる医務室へ戻った。医務室とは言え、捕虜を監禁するための部屋なので外から施錠ができる。
指紋と虹彩認証のダブルチェックを受け、扉も3重になっているところから見るに、医務室とは名ばかりだなと迅はいつも思う。
(これが、おれたち玉狛支部と本部、て言うか城戸さんとの考え方の違いだよな)
玉狛支部で預かっていた捕虜・ヒュースは、最初こそ地下室に軟禁されていたが、そこだってここほどのセキュリティがあった訳ではない。むしろ、その後ヒュースは支部内を自由に動き回っていたし、玉狛第二に入隊し今回の遠征メンバーとして出発していた。
元々は母国・アフトクラトルに戻るために玉狛第二に入隊したので、よほどの事情がない限り彼がここに帰ってくることはない。
(そう言えばあの子、ゲートの向こうから出てきた時、傷だらけだったな)
パッと見なので正確には覚えていないが、傷がついていた箇所は後ろ側ばかりではなかったか。まるで、何かから逃げるためについた傷のようにも思えた。
「失礼しまーす」
再び医務室に入ると、勇は起き上がって虚空を見つめていた。
「こ、こは……」
「気が付いた?」
声のする方に目を向けると、見知らぬ青年が座っていた。
「ここは、ボーダー。界境防衛組織って組織の医務室だよ。君がとある場所で倒れてたから、ここに連れて来た」
「あ、ありがとうございます、えっと……」
「おれ、迅悠一」
「相馬勇、です」
「相馬……」
聞き覚えのある苗字に、迅は記憶をさかのぼった。
(まさか)
ひとつ気になることが浮かんだが、タイミング悪く上着のポケットに入れていたスマホが鳴った。
「おっと……。相馬さん、悪いんだけど用事が出来たので行くね」
そう言うと、迅は部屋を出た。
「迅、あの者をお前どう見る」
作戦指令室に呼び出されるや、城戸司令に問われた。
「うーん、ただの一般人ではないと思いますが、ネイバーじゃないとも言い切れないってとこかな。ただ、危険な未来は今のところ視えていないから、そこまで警戒する必要もないかな」
「随分とお気楽だな。そう見えていて実は、なんてこともあり得る」
「とにかく、得体の知れない存在をこの基地に置いておくことに私は反対だね」
開発室長・鬼怒田とメディア対策室長・根付が次々と不安を口にする。
「とは言え、あの者をどこか別の場所に動かすわけにもいくまい。ここ以上に監視、管理、尋問に適した場所はない」
本部長・忍田が言った。
「迅、あの者が起き上がれそうだったら尋問室へ連れてきてくれ。本人に聞くのが一番早い」
「了解」
指令室を退出すると、向こうから見知った顔がやってくるのが見えた。
「お、生駒っち、弓場ちゃん、それに柿崎に嵐山、おはよう」
「迅やん。呼び出されとったんかいな、どないしてん」
ボーダー所属の生駒隊隊長の生駒が軽く手を振ってきた。
「ちょっとね」
「相変わらず忙しいな」
「もう済んだのか?」
柿崎隊隊長の柿崎、嵐山隊隊長の嵐山が迅をねぎらった。
「ああ。皆こそ、このあとの隊長会議で?」
「そうだ。お前ェも出る段取りになってなかったか、迅」
弓場隊隊長の弓場が相変わらず凄みのある口調で言った。
「別の用事が出来てね。そっちを優先しろってさ」
「モテモテやな」
「生駒っちほどじゃないよ」
カラカラと笑った。
彼らは、迅と同い年である。ボーダーには様々な年齢の者が所属しているが、自分と同い年の男子は今のところこの4人なので、迅にとっては気を遣わなくていい相手でもあった。
4人と別れ、相馬勇と名乗った女性がいる医務室へ戻った。医務室とは言え、捕虜を監禁するための部屋なので外から施錠ができる。
指紋と虹彩認証のダブルチェックを受け、扉も3重になっているところから見るに、医務室とは名ばかりだなと迅はいつも思う。
(これが、おれたち玉狛支部と本部、て言うか城戸さんとの考え方の違いだよな)
玉狛支部で預かっていた捕虜・ヒュースは、最初こそ地下室に軟禁されていたが、そこだってここほどのセキュリティがあった訳ではない。むしろ、その後ヒュースは支部内を自由に動き回っていたし、玉狛第二に入隊し今回の遠征メンバーとして出発していた。
元々は母国・アフトクラトルに戻るために玉狛第二に入隊したので、よほどの事情がない限り彼がここに帰ってくることはない。
(そう言えばあの子、ゲートの向こうから出てきた時、傷だらけだったな)
パッと見なので正確には覚えていないが、傷がついていた箇所は後ろ側ばかりではなかったか。まるで、何かから逃げるためについた傷のようにも思えた。
「失礼しまーす」
再び医務室に入ると、勇は起き上がって虚空を見つめていた。