The Hierophant③
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
──汝、忘却せし真実を思い出せ
──汝は何故其処に在る…?
誰の声…?
そこにあるってどういう意味?
忘却せし真実って何?
あなたは、誰…?
──我は……………………
「…………ん、夢?」
目が覚めて起き上がると、そこは自分の部屋だった。
さっき、確かに誰かと話していたような気がするけど、夢だったようだ。
ぼんやりとした頭で洗面所へ向かった。顔を洗ってしっかりと意識を起こす。
昨日、みんなの昔語りを聞いたからなのか、私自身も昔を思い出そうとしているのだろうか。
すっきりした頭でもう一度夢の事を思い出してみると、誰かに存在理由を尋ねられた気がする。
どうして、私は今此処に居るのか──。
忘れた真実って、一体…?
それを思い出せば、私が今居る理由も分かるのだろうか?
何度か、断片的に思い出しかけた事はある。
パレスで誰かの言葉に触発されるように、私の頭の中によぎる《記憶》。
だけど、それはどれも気持ちの良いものではなかった。
不安、嘆き、恐怖、怒り──そういった負の感情しか湧き上がらないから。
それによぎった光景や音声を思い出そうとしても、またモヤのように分からなくなってしまった。
“無理に思い出そうとしなくて大丈夫だよ”
丸喜先生の言葉が重たくなり始めた気持ちを軽くしてくれる。
自分でも分かっている。
蓋をされた記憶──私が蓋をした記憶だと。
だからまだ、思い出したくない。
その夜、竜司から次の大物をどうする?とチャットが送られてきた。
明智君の事も気がかりで少し焦りも見えるけど、早く世論を変えたいと思うのは分かる。
改めて、話し合う為に明日アジトに集まる事になった。
1/6ページ