オモイデシンフォニー
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「ねぇ、詩庵はなんでクロと付き合い始めたの?」
ある日、研磨に聞かれた。
そう、それは快晴の中庭。揺れる木漏れ日に包まれたランチタイム。
研磨と二人で肩を並べてお弁当を分け合いながら食べている時だった。
あの研磨が、自分からそんな質問をするなんて、そんな日は来ないだろうと思ってたのに。
なんだろう、この気持ち。
まるで巣立ちを迎えた子供を見送る母親のような──
「長い。もういいから」
「え?まだ語ってたかったんだけど…」
おかしいな。モノローグのつもりだったんだけど、声に出てたかな?
呆れ眼の研磨に止められた。
「で、質問なんだっけ?」
「………なんでクロと付き合ったのって」
「ああ。大丈夫だよ研磨。研磨のことも好きだから」
「聞いてないんだけど」
「てつろーが取られたって思ってたんだよね?そんなことない。私もてつろーも研磨が一番大事だよ!大丈夫!」
「……聞く人間違えた」
溜め息混じりに呟いた言葉は聞かなかったことにしよう。
それにしても本当に珍しいな。研磨が私たちとはいえ他人に興味を示すなんて。
「研磨」
「なに?」
「私はいつだって研磨の味方だからね!」
「え?…あー、うん」
大きく頷けば、研磨もポカンとしながら頷き返してくれた。
付き合い始めたきっかけ…か。
実は研磨も一枚噛んでたりするんだよなぁ。
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